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「あの夏は…時間の流れが違っていた」なぜ慶応は甲子園で優勝できた? あの“旋風”から3年…ナインが振り返る107年ぶり「奇跡の日本一」の真実
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/08/22 11:01
2023年、甲子園に“旋風”を巻き起こした慶応高校。あの大躍進のウラには一体、何があったのだろうか?
捕手として投手陣を引っ張った渡辺は、「優勝できたのは応援のおかげです」と言い切る。
「アルプススタンドからの『突撃のテーマ』や『若き血』を聞くと、あの応援を受けたくてたまらなくなりました。勝ち進むにつれてテンションも上がって、打席に立つのが楽しみで仕方がなかったです。でも、春はぜんぜん違いました。仙台育英戦では、めっちゃ足が震えてたくらいでしたから。夏は、応援団がいい雰囲気を作ってくれて、それに僕らは乗っかっただけでした」
「あの夏は時間の流れが違ってました」
加えて渡辺は、「あの夏は時間の流れが違ってました」と振り返る。
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「神奈川大会から甲子園の決勝まで、時間が凝縮していたというか、時計の進み方が違いました。エースナンバーをつけていた小宅(雅己)は、神奈川大会ではコントロールの精度もそこまでじゃなかったんですが、甲子園では構えたところにバシバシ来ました。高校生って、急に成長するんです」
余談だが、慶應は甲子園のあと、10月に行われた国体(現・国民スポーツ大会)でまたも仙台育英と対戦、0対11とコールド負けを喫している。渡辺は苦笑いしながら、その背景を説明してくれた。
「国体前に定期テストがあって、点を取らないと卒業できないので、必死に勉強しました。甲子園の反動というより、あれは定期テストの反動です(笑)」
慶應にとって、「夏」だけが特別な季節だったのだ。
慶應の夏が特別なものになったのは、優勝しただけではなく、「エンジョイ・ベースボール」というスローガンを掲げ、選手たちが実践したことも大きかった。
<次回へつづく>

