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「優勝して…言葉がひとり歩きし始めた」慶応高“エンジョイ・ベースボール”旋風は球界に何を残した?「髪型とかなんでしょうけど…」選手たちのホンネ

posted2026/08/22 11:02

 
「優勝して…言葉がひとり歩きし始めた」慶応高“エンジョイ・ベースボール”旋風は球界に何を残した?「髪型とかなんでしょうけど…」選手たちのホンネ<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

2023年の夏の甲子園で優勝した慶応高。スローガンとして話題になった「エンジョイ・ベースボール」の気風は、高校球界に何を残したのか

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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Naoya Sanuki

 新たな時代の到来を予感させた慶応高の「エンジョイ・ベースボール」。あの熱狂は、高校野球の在り方をどのように変えたのだろうか。当時のキャプテンと主力選手たちがあの快進撃を振り返ったインタビューを再掲します。《全2回の2回目/最初から読む》(初出:Number 1126号/2025年8月28日発売 肩書などはすべて当時)

 慶應義塾高校の夏が特別なものになったのは、優勝しただけではなく、「エンジョイ・ベースボール」というスローガンを掲げ、選手たちが実践したことも大きかった。この言葉は、上田誠前監督が2006年に上梓した著書のタイトルにも用いられており、慶應の野球部に受け継がれてきた言葉だ。

 選手たちは、この言葉をどう捉えていたのか。丸田湊斗はこう話す。

「エンジョイ・ベースボールって、あくまで目標のひとつという感じでした。決して楽をする意味じゃないですし、僕自身は全力で野球に向き合って、自分の技術を上げることにフォーカスしてました。野球が上手くなることが楽しいんであって、むしろ、僕らが優勝して、言葉がひとり歩きし始めた気がします」

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 冷静だ。渡辺憩はどうか。

「僕はもともと野球で怒られるのが嫌で、緩くて、そこそこ楽しそうな慶應を選びました。でも、3年の時でさえエンジョイ・ベースボールとか、大それたことを考えて野球をやっていたわけではないです。でも、キャプテンの大村(昊澄)は本気でした。日本一になって、日本の高校野球を変えるって、頻繁に言葉にしていて。申し訳ないことに、少なくとも僕は本気で日本一になれるとは思ってませんでした(笑)」

熱狂の渦の中心にいたのは…キャプテン・大村

 渦の中心にいたのは、大村だった。大村は野球が社会を変える力を持つと信じていたし、いまも信じている。

「僕は、やらされる野球が美化されることに違和感がありました。もっと大切なことは野球が終わってからの人生であって、人として社会で活躍できる人材を輩出する、それが慶應なんだと、森林(貴彦監督)さんから教えてもらいました。自分で考え、人として成長する。それがエンジョイ・ベースボールの真髄であって、だからこそ、僕は日本一になって一石を投じたいと思っていました」

【次ページ】 「変化を生み出せたかというと…」選手の胸中は?

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