甲子園の風BACK NUMBER
「何者?」甲子園騒然の音、“天才トランペットおじさん”の謎…じつは人気バンドと共演“スゴい人物”だった「高校野球は儚さがいい」「とにかく別格」
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梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2026/08/15 06:00
「明徳のトランペット、何者ですか?」。甲子園アルプスにいた“天才トランペットおじさん”とは(写真は明徳義塾アルプス)
1回戦の東海大甲府(山梨)対鶴岡東(山形)戦も、両アルプスにハイノートヒッターの存在を確認。東海大甲府アルプスでトランペットを吹くのは、同校吹奏楽部OBの平林洋氏(50歳)だ。
高校時代から野球応援が大好きで、「球場で吹くために学校に通っていたようなもの」と笑う。吹奏楽部顧問の小俣広弥氏とは同期で、卒業後もともに東京の音楽学校に進学。現在は、地元の楽器店に勤務しながら、ビッグバンドスタイルのジャズバンドにも所属している。
「ジャズバンドでは、リード・トランペット(※編集部注/アンサンブルの中で最高音域を担当する奏者)を任されていることもあり、高音は得意分野。高校生はすべてのフレーズを手を抜かずに一生懸命吹くので疲れてしまうけれど、大人は力の抜きどころをわかっているので、うまくサポートできればと思いながら吹いています」(平林氏)
「青春がずっと続いている…」
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平林氏が言うように、高校生は炎天下の甲子園でも楽譜通りに休まずきっちりと吹くため、バテやすい。ところが、大人のトランペッターは、大勢が吹くフレーズは他の奏者に任せ、ソロや高音が目立つ部分など、ここぞという時に大音量で鳴らすなど、阿吽の呼吸でうまく調整している。そこが、高校生との大きな違いといえるだろう。多くの吹奏楽部顧問も、助っ人トランペッターの存在を「全体の音量も増すし、頼もしくてありがたい」と感謝していた。
平林氏は、パワフルな高音で応援に花を添えながら、楽しそうにこうも話す。
「同期の顧問・小俣君と、後輩たちとともに甲子園で選手を応援できるのは、青春がずっと続いている感じですね」(平林氏)
吹奏楽部の生徒たちは、野球部の縦縞ユニホームを着て応援。平林氏もユニホーム姿だが、よく見ると阪神タイガース。「大の阪神ファン」といい、似たような縦縞で甲子園球場ということもあり、なじみすぎて違和感がまったくなかった。

