博多の人・王貞治BACK NUMBER

「なぜホークスだけが疑われるんです?」サイン盗み疑惑に揺れる王貞治ダイエーにさらに衝撃の事態…99年「あの男」の急死からなぜ優勝できた?

posted2026/08/06 11:03

 
「なぜホークスだけが疑われるんです?」サイン盗み疑惑に揺れる王貞治ダイエーにさらに衝撃の事態…99年「あの男」の急死からなぜ優勝できた?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

1999年、ダイエーの“サイン盗み疑惑”で球団社長が引責辞任し、あの根本陸夫(右)が社長に昇格する。ところがその直後……

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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1995年シーズン、福岡ダイエーホークスの監督に就任して以来30年以上。王貞治の博多での野球人生は、もはやジャイアンツでのそれよりも長くなった。今や常勝軍団となったホークスだが、ここに至る道のりは決して平坦ではなかった。いよいよ優勝を争える力が整ってきた1998年、ホークスに次々と衝撃の事態が——。〈連載「博多の人・王貞治」第13回/つづきを読む

 日本野球機構(NPB)が発行する「パシフィック・リーグ BLUE BOOK」は毎年、球団や選手の記録が更新されていく、いわば“公式記録誌”である。その中の「パシフィック・リーグ略史」も、年ごとに新たな事象が積み重なっていく。

 1998年の欄には「12.2」のところに、ホークスの“負の歴史”が記されている。

「福岡ダイエーホークスのサイン盗み疑惑」が一部で報じられる。21日、第三者による調査機関「パ・リーグ特別調査員会」発足。

なぜウチだけが疑われるんですか

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 福岡のブロック紙「西日本新聞」12月2日付朝刊にスクープされた内容は、1997年5月頃から1998年6月頃まで、本拠地・福岡ドーム(当時)の試合で、球団職員が球場内モニターを見て、相手バッテリーのサインを解読。無線機で外野席のアルバイトに球種を伝えると、そのアルバイトがメガホンの動きを組み合わせることで、打席に立っているダイエー選手に合図を送っていた、という報道で、記事中には3選手の実名も挙がっていた。

 球団は即座に、球団社長の村上弘、球団代表の岸谷靖治に弁護士らも含めた「調査委員会」を立ち上げた。関与が疑われた3選手には個別に面接を行ったが、いずれも完全否定。

 一体何が行われていたのかという検証を行うため、実際に新聞に書かれている手段で、サインを盗むことが出来るのか、メディアに気づかれないよう、社員も全員が帰宅した後の深夜にドームで実証実験をしたこともあったという。現場のスコアラーたちを中心に「なぜウチだけが疑われるんですか?」と異議が上がり、他球団の“疑わしき行為”の証拠を出した上で反論を行うべきだと、強硬姿勢を見せたスタッフもいたという。

【次ページ】 球団社長に、あの男が……

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