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「自虐の天才投手」板東英二が話していた“ひとつの嘘”…「じつは長嶋茂雄・王貞治キラーだった」なぜ板東は“第二の人生”で成功できたのか?
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岡野誠Makoto Okano
photograph byスポーツ報知/AFLO
posted2026/08/02 11:00
甲子園、プロ野球を沸かせ、引退後はタレントとして活躍した板東英二(右)
「元天才投手」はこうして成功した
この「自虐」に、彼の凄さが詰まっている。人間、誰しもプライドがある。ましてや、プロ野球選手は少年時代から脚光を浴び、少数精鋭の世界に飛び込んだ自負がある。その舞台でONを抑えていれば、自慢したくなるはずだ。
ところが、彼は話を良いように誇張するどころか、「ほとんど敬遠やからね」と下に盛って、笑いに変えていた。
なぜ、板東は自虐できたのか。
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頂点を知るゆえの「自信」と「謙虚さ」があったからではないか。高校時代に甲子園で奪三振記録を作り、プロでは抑え投手の先駆者となり、巨人キラーとしても名を馳せた実績が「自信」を持たせ、ONほどの大成功とまでは言えない球歴が「謙虚さ」を生んだ。
400勝投手の金田正一よりも努力したと自負する板東は現役生活を通して、「過去への諦念」と「未来への希望」を得た。
「70になるけど、一番勉強してる」
〈オリンピックの金メダリストと普通の人とでは、努力では埋められない圧倒的な差があるでしょう。でも、頭のなかの知恵については、それほど人によって違わないと僕は思うんです。知識不足は勉強によって補えますから〉(10年5月号/THE21)
〈もう70になるけど、今が人生で一番、勉強してると思う。というのはね、例えば(島田)紳助くんなんかと番組で一緒だと、「板東さん、板東さん」と終わったあと声かけてくれて、ここがダメとか、ここが違うよと教えてくれるのよ〉〈若手が僕に突っ込んで、「このジジイが」って言ってくれるのも、大変ありがたいことだしね〉(10年2月26日号/週刊朝日)
過去の栄光に縛られる元スターは少なくない。引退後、現役時代のプライドは邪魔になる。板東は、誰もが捨てきれない誇りをあっさり捨てた。そして、自分の生きる道を決めて勉強に励んだ。自虐できる心のゆとりが、卓越した“第二の人生”をもたらしていた。
参考文献:『ON記録の世界』(宇佐美徹也編著/読売新聞社)

