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「自虐の天才投手」板東英二が話していた“ひとつの嘘”…「じつは長嶋茂雄・王貞治キラーだった」なぜ板東は“第二の人生”で成功できたのか?
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岡野誠Makoto Okano
photograph byスポーツ報知/AFLO
posted2026/08/02 11:00
甲子園、プロ野球を沸かせ、引退後はタレントとして活躍した板東英二(右)
【平松政次(大洋)】
王貞治 .370/25本/62点 ※王の投手別最多本塁打、打点
長嶋茂雄 .193/8本/26点
【鈴木隆(大洋)】
王貞治 .247/6本/22点
長嶋茂雄 .364/13本/39点
【外木場義郎(広島)】
王貞治 .342/23本/46点
長嶋茂雄 .246/10本/33点
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【村山実(阪神)】
王貞治 .243/17本/42点
長嶋茂雄 .281/21本/41点 ※長嶋の投手別最多本塁打、打点
片方が抑えられれば、片方が打つ。だから、巨人は9連覇を達成できた。稲葉光雄(中日)、西井哲夫(ヤクルト)、山本和行(阪神)のように2人に強いピッチャーもいたが、長嶋との対戦は主に晩年だった。板東のように全盛期のONに相対し、好成績を収めている投手は類を見ない。近いのは長嶋を.265(板東より若干低い)、王を.235(板東より高い)に封じたバッキー(阪神)くらいである。
「自分を下げるウソ」自虐の妙
では、「……まっ、ほとんど敬遠やからね」は本当なのか。板東のONへの通算与四死球はこうなる。
王貞治 31四死球(うち敬遠5)
長嶋茂雄 6四死球(うち敬遠0)
王への敬遠は5に過ぎず、長嶋には1度も敬遠をしていない。一方で、王への通算四死球31はたしかに多い。王への与四死球数ワースト5の投手などと、その割合を比べてみよう。
【王貞治への与四死球率(四死球÷打席)】
松岡弘 .280(246打席69四死球)
平松政次 .227(304打席69四死球)
村山実 .187(321打席60四死球)
江夏豊 .178(321打席57四死球)
安仁屋宗八 .208(259打席54四死球)
板東英二 .310(100打席31四死球)
江本孟紀 .261(92打席24四死球)
稲葉光雄 .213(89打席19四死球)
板東の数字は突出している。3回に1回は王を歩かせていた。打率.125に抑えた前述の65年は、17打席で9四死球を与えている。
つまり、「ほとんど敬遠」は間違いだが、かなりの割合で歩かせていたのは事実だった。
これが、板東の絶妙なサジ加減なのだ。明らかな嘘を言えば、見抜かれる。だが、多少の誇張であれば、気付かれにくい。しかも、人は「自分を上げる嘘」には敏感だが、「自分を下げる嘘」には鈍感になる。

