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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「世界ナンバーワンなんです」元スコアラーも衝撃…三冠王快走の阪神・佐藤輝明が持つ“大谷翔平超え”驚異の能力の正体「数字でみても…とんでもない」
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/06/19 11:05
交流戦を終え、セ・リーグの打撃三冠王をひた走る阪神の佐藤輝明。元スコアラーが分析する進化の理由とは?
そして、志田が指摘する進化のふたつめは「待ち方」である。
相手は佐藤を抑えるために揺さぶりをかけてくるが、ここでも佐藤は順応性の高さを示している。
「これまでの佐藤選手への攻め方は、そんなに難しくなくて、実はパターンがあります。ずっとそういう攻め方をされてきたなかで克服しようとして、今季は改善されています。弱点だったところが弱点じゃなくなったのが一番大きい。パターン化されている配球に対して、自分の待ち方も厳選されて良くなっています。これはデータでも出ている傾向ですね」
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――たとえば、先にも触れたような、内角高めの球への対応力が上がるなど、ゾーン別打率の変化にも表れていますね。
「いままで空振りやファウルになっていたゾーンを打てるようになっています。また、ストライクゾーン内だけでなく、ゾーン外にも強みを持っているところも特長です。佐藤選手は自己分析できるタイプだと思います。
いままでも頭ではわかっていたけど、テクニックが追いついていなくて、整理されないまま打席に立っていました。でも、いまはかなり整理されて、打つべき球を厳選できています。イメージで言うと、これまでは打ちにいく範囲がすごく広かったのが、逆にいまはすごく狭いです」
意外にも「空振りの割合は増加」のナゼ
――それはボール球に手を出さなくなったということでしょうか。
「普通、そう思いますよね。ところが、不思議なことに、空振りの割合(ボール空振り率)は実は昨季よりも増えているんです」
――たしかに、複数のデータサイトによれば、ボール球の空振り率は昨季が56.0%だったのに対して、今季は57.8%に増えています。
「でも、四球の割合が増えて、三振の割合は減っています。要するに『空振りは悪ではない』ということなんです。自分の狙いではないボールが来たとき、2ストライク前の空振りはOKなんです。佐藤選手はその割り切りができている。2ストライクまでは狙いが外れたらしょうがないなと。でも、2ストライクに追いこまれたら少し切り替えて、コンタクトするようになる。その変わり身ができています」
――「待ち方」でいえば、ほかに特筆すべき点はありますか。
「足をほとんど上げなくなった、と先ほど言いました。それに加えて、足を上げるタイミングが遅いというか、むしろ始動が遅いですよね」
――プロ入りした頃から始動は遅かったのでしょうか。
「彼はもともと、仕掛けがちょっと早いタイプで、始動が早いとタイミングも早く取ります。たしかに空振りが多いバッターは判断が少し早い傾向がありますね。始動は早くしろ、というのが定説ですが、いまの佐藤選手の場合、遅くはじめても、十分に間に合うパワーがあるから、動きのブレも少なくなっている。この打ち方を本当にモノにしているよなという印象です」

