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「結果だけ見れば、理由は病気。でも…」久保建英らと代表でも活躍“消えた天才少年”はいま…サッカーを諦めた「その後」と気づいた「彼らとの本当の差」
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別府響Hibiki Beppu
photograph byTomosuke Imai
posted2026/06/18 11:03
久保建英や菅原由勢らとともにアンダー世代の日本代表で長らく活躍した桂陸人。25歳になった“消えた天才”はいま
そんな大きな決断をした一方で、現実はシビアだ。
大学4年生だった桂は、数カ月後には大学を卒業し、社会に出なければならない。だが、プロになるつもりだった桂は、当然就職活動など全くやっていなかった。
「それで慌てて就職活動を始めて、その時期に募集していた1社から内定をもらったんです。でも、当然ですけど突貫工事で全然、下調べもできていない。その会社に強い愛着もないし『本当にこれでいいの?』という想いはずっとあって」
“社会”に触れて気付いた「サッカー経験の価値」
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そこで桂は「Xで就職活動に詳しそうなアカウントに片っ端から『就職活動に関して相談があるので、会ってくれませんか?』とDMを送った」のだという。
「そもそもずっとプロを目指してサッカーをやってきた僕からすると、就職活動に本気になって、大きな企業に入るのって『偏差値の高い大学の、賢い人たちだけなんだろう』という変な思い込みがあったんです。
でも、そうやってDMを送ったら実際に会ってくれた人が何人かいて。そういう方から『サッカーでそれだけ経歴があるんだったら、十分大手企業だって行けるよ』と言われたんです。自分の知らない分野で、実はサッカーの経験に価値があることが分かった。じゃあ、留年して本気でもう1年頑張ってみようと思ったんです」
最初の内定先には断りを入れ、これまでは存在すら知らなかったSPIの勉強からはじめた。エントリーシートの書き方もイチから勉強し、自分の強みを考えると、これまでスポーツとしか捉えていなかったサッカーの別の面も見えてきた。
「そもそも知らない大人にDMを送って相談しようという発想自体、結構驚かれました(笑)。でも、それこそサッカーなんて何かトライしてミスをして、それを次のプレーでは修正して……というのが基本なワケです。そう考えればDMを送って、ちゃんとしたアドバイスをくれる人に出会うまでトライするというのは、全然変なことではない。
それからユースの頃から代表に選ばれていれば、年上の選手やスタッフ、海外の選手、プロ予備軍とか、怖い相手の中に飛び込むのって日常なんですよね。それと比べれば、慣れない面接でも優秀な他の学生や面接官の中に飛び込むのも、そんなに怖がらずに行ける。こういう要素って、サッカーをやっていなかったら絶対に身についていなかったんだなと」
幼き頃の夢は叶わなかった。それでも、サッカーを通じて学んだことが自分の中には間違いなく生きている。そしてそれは、どうやら社会的に十分に価値のあることのようだ、とここで初めて桂は気づくことができた。

