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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「(黒田)朝日さんの穴を埋めるのは難しい」“箱根駅伝の皇帝”青学大が関東インカレまさかの苦戦? それでも“新戦力”選手に感じた「王者の強さ」
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2026/06/09 06:00
年始の箱根駅伝では黒田朝日(右)の激走もあって3連覇を達成した青学大。一方で春の関東インカレでは苦戦が目立った
過去にも似たケースがあった。
青山学院大が初優勝した2015年。5区の神野大地(当時3年)が駒澤大を逆転して往路優勝を果たすと復路も快走し、頂点に立った。神野は翌16年も5区で好走。2連覇に貢献し「山の神」として勇名をはせた。だが、神野が卒業後も後輩たちは力走し、圧勝で4連覇まで記録を伸ばした。
「山の神」去りし後の強さの理由は…?
この17、18年を思いおこすと、主力はもとより、「最初で最後の箱根駅伝」となった4年生の奮闘も見逃せない。17年は関東インカレ2部ハーフマラソン2連覇の実力者、池田生成がようやく4年になって9区を任されて区間2位の好走で優勝に貢献した。18年には同じく9区を任された近藤修一郎が崩れることなく優勝への流れを保った。最近でも24年の7区を走った山内健登が区間3位で襷を繋ぐと、9区の倉本玄太が区間賞の活躍で、トップをひた走った。
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ひとりがブレーキを起こせば、優勝戦線から大きく後退する駅伝において、4年生の安定感は、1区間20km超の箱根を優位に戦うためには欠かすことができない。競りあいを制する脚力も大切だが、ひとりで走る展開も多く、4年間で積み上げた地力がモノを言う。
特に復路は単独走が多く、ひとりで走りきる力が問われる。だからこそ原も堅実な4年生を復路で重用するのだろう。青山学院大では毎年のように、箱根で輝く4年生の姿が話題になっており、いまや脈々と受け継がれる“お家芸”だと言っていい。ここにこそ、チームの底力、いわば組織としてのカルチャーが滲み出る。
遅れてやってくる“新戦力”の存在が、チーム力を倍加させていく。今年もまた、虎視眈々とチャンスをうかがう4年生ランナーがいた。関東インカレの3000mSC決勝に挑んだ本間創である。
スタート直後、昨年の覇者で創価大のソロモン・ムトゥク(ケニア・カヤングマ高)が飛びだしても本間は冷静だった。1000m時点で3秒ほど差が開いているとわかっていた。2000mを越えればムトゥクのペースも落ちるだろう。そこで追いつき、並走しよう。瞬時にプランを組み立て、ひとりで追いはじめた。だが、ムトゥクのピッチは衰えない。むしろ本間の脚が伸びず、ゴール目前で後続に抜かれて3位でゴールした。
「自分自身が目指していたのは1位。中途半端な順位をとるより、1位を狙って、最後に落ちてしまえば最下位でもいいぐらいの覚悟でした。後悔はないです」

