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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「(黒田)朝日さんの穴を埋めるのは難しい」“箱根駅伝の皇帝”青学大が関東インカレまさかの苦戦? それでも“新戦力”選手に感じた「王者の強さ」
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2026/06/09 06:00
年始の箱根駅伝では黒田朝日(右)の激走もあって3連覇を達成した青学大。一方で春の関東インカレでは苦戦が目立った
レース前、本間は原に「優勝を目指していこう」と声をかけられていた。その目標こそ叶わなかったが、8分55秒86で銅メダルを摑んだ。果敢に攻めた結果に納得の表情を浮かべていた。
「チームとしてもメダルを獲った方が夏合宿以降、いい流れが来ると思っていました。絶対にメダルは獲ろうと考えていました」
「1区を志望」最初で最後の箱根路へ…4年生の想い
本間は3大駅伝を走ったことがない。
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それでも、チームへの思いが滲むのは、かれもまた最上級生だからだろう。本間もやはり、先の商戦を見据えて戦略を練るアパレル業者のように、冬のことを考えて日々を過ごしている。
「駅伝に向けて、今回のレースでひるまずいけたことで心の強さをアピールできたと思います。夏合宿で走りこみをして、自分の得意なレース展開をできるように。自分は(箱根駅伝の)1区を志望しているので、そこでいい戦い、ラスト勝負に持ちこめるだけのスタミナをつけていこうと考えています」
本間は東京・國學院久我山高で全国高校駅伝に出場した。青山学院大に入学後は2年時に1万mで自己ベストの28分57秒65をマークし、箱根駅伝メンバーを決める最終選抜合宿にも参加した力量を持つが、まだチャンスを摑めていない。1年前は関東インカレ直前のハードル練習中に左膝を痛め、強行出場したが悪化。何もできず、精神的に落ちこんだという。
入学時、5000mのタイムが学年のなかで下から2番目の14分39秒だった本間は、原の「ジョグを大切にしなさい」という教えを忠実に守って地道に脚力を鍛え、14分05秒88まで伸ばしてきた。
自分は弱い。
そんな劣等感を振り払えたのは、陸上長距離をはじめるキッカケとなった原点があるからだという。
「神野大地選手が自分もセンスがなかった、と言ったのをメディアでたまたま見まして。自分の苦手なことを得意にするのはすごくかっこいいなって」
そう話す本間の目はきらりと光る。ギラギラというより、ランランというほうがしっくりくる。まだ結果が出ていなくても卑屈にならず、かれもまた「最初で最後の箱根駅伝」で冬の花を咲かせようと、いまは根を張りめぐらせているのだろう。
「1区は前回、小河原選手が走りました。青学大の1区はかなり大きなプレッシャーがかかります。1区で失速すると、『大失速』とメディアにも取り上げられてしまうのが先輩としては悲しいところがありまして。だからこそ次はラストイヤー、4年生である僕がその責任重大な部分を担いたいので1区を志望しています」
本間は丁寧すぎる口調で熱っぽく語る。

