プロ野球PRESSBACK NUMBER
「あの高知の女に電話したら?」“余命1年”壮絶闘病中にまさかの不倫…“奇跡のリリーバー”の妻が別れを覚悟した日「いや、別にそんなつもりは…」
text by

松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph byJIJI PRESS
posted2026/05/30 11:23
引退後は病との闘いが続いた盛田幸妃。それでも夜遊びをやめることはなかった
「さすがにその人に電話して、『こっちでしかできない治療があるので。治療が終わったら何をしようが構いませんので、ひとまず帰してください。お互いが最後一緒にいたいんだったらどうぞ』と言いました。主人にも問い詰めると『いや、別に俺はそんなつもりはない。息抜きに行っていただけで別れる気はない』と。何があっても一生面倒見るつもりでいた矢先だったので、発覚したときは『はあ?』 ですよ……」
はじめは笑いながら話していたのが、当時の記憶が蘇ったせいか、冷静な倫子が次第に感情をあらわにした。
「そっちがいいなら行ってしまえ、と思いました。その女性も闘病生活のテレビ番組とかを見て、こちらの苦労を知っているので『私も別に取ろうという気はないんです』と電話で言ってくるんです。『じゃあ、あんまり余計なことしないでください。そっちに行ったときだけ甘えさせて、おいしいとこ取りみたいことをされると困るんですよ』とぶつけました」
ADVERTISEMENT
愛情云々の問題ではなかった。長く時間をともにしてきた妻としての矜持が、倫子の心を揺さぶった。
さまざまな治療法を試しても効果がなく、八方塞がり。それでも絶対に諦めず一生面倒を見ると誓った矢先に、当の本人は病を押してまで呑気に他の女に会いに行ってしまう。さすがの倫子も胸を抉られた。妻として責任を全うする決意を踏みにじられた思いがした。
結局、元の鞘に収まるのだが、相当癪に障ったのだろう。その後、夫婦で外出して些細な言い争いになったとき、倫子は盛田に携帯電話を渡して「あの高知の女に電話したら?」とチクチクやったという。
「2年は無理っすよ」余命宣告にも“盛田節”で応答
すったもんだがあっても、病気の進行は止まってくれない。
日に日に動けなくなる盛田の苛立ちは増幅していった。傍にいる倫子は、衰えていく盛田の気持ちが手に取るようにわかった。衰弱する夫の姿に胸が締めつけられた。
手術4回、転移12カ所、骨折9回。盛田の身体はボロボロというよりも、ズタズタだった。

