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打撃不振→12戦ぶり本塁打の大谷翔平…「カーショウ以来の大快挙」MVPとサイ・ヤング賞“W受賞への最難関”は防御率0点台よりも規定投球回数では
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byAP/AFLO
posted2026/05/14 06:02
ドジャース3年目、投手として抜群のスタートを切った大谷翔平。サイ・ヤング賞受賞の可能性はどれだけ現実的か
WARはその選手が「代替可能レベル(控え選手)」よりどれだけチームの勝利数を増やしたかを示す指標で、先発も救援も同列で比較できる。ただ、昨今の投票傾向を見ていると有権者である記者の認識はかなり動いているように思える。
どの投手指標を見ても優秀
今季の投手・大谷の成績(現地5月5日終了時点)を見てみよう。
6試合2勝2敗37回21被安打2被本塁打
9与四球42奪三振、防御率0.97
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この時点での防御率はナ・リーグ1位、WHIP(1イニングに許した安打、四球での走者数)も0.81で1位。被打率.160とK/BB(奪三振数÷与四球数=投手の安定感を示す指標)4.67はそれぞれ同僚タイラー・グラスノーに次ぐ2位だった。規定投球回数は「チームの試合数×1」のため、現在の大谷は規定投球回数未達で防御率ランキングを外れている。なお7日のアストロズ戦でグラスノーは腰痛のため緊急降板、気がかりではある。
先発投手の最低限の責務と言われるQS(クオリティスタート。先発で6回以上投げて自責点3以下)では、大谷は同僚の山本由伸らと並んで「6」。さらに開幕から6試合連続でQSをマークしている。
5月6日時点でのナ・リーグ投手のWARランキングを見ていく。データサイト『Baseball Reference』のrWARは以下の通り。
1.サンチェス(フィリーズ)2.0
2.バーンズ(レッズ)1.8
3.ホームズ(メッツ)1.7
4.大谷翔平(ドジャース)1.5
データサイト『Fangraphs』のfWARはこうだった。
1.サンチェス(フィリーズ)1.6
2.マクリーン(メッツ)1.5
3.大谷翔平(ドジャース)1.3
4.今永昇太(カブス)1.3
どちらのサイトで見ても大谷はトップクラスの評価だ。
今季はフォーシームでグイグイ押している
では投手・大谷は今季と昨季で、どのように変化したのだろうか? MLBのスタットキャストのデータから、投球の球種別構成比を前年と比較してみる。
〈2026年〉
フォーシーム 44%
スイーパー 24%
カーブ 13%
スプリッター 12%
シンカー 4%
スライダー 2%
カットボール 1%
〈2025年〉
フォーシーム 39%
スイーパー 23%
スライダー 11%
カーブ 9%
シンカー 7%
カットボール 7%
スプリッター 5%
構成比から、投球傾向の変化が見えてくる。

