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大阪桐蔭でも履正社でもなく…なぜ山口の私立高を選んだ? 20校以上が勧誘した“スーパー中学生”の争奪戦「無理かなと思った」高川学園関係者が明かすウラ側―2026上半期読まれた記事
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/05/23 06:00
20校以上が勧誘した“スーパー中学生”の争奪戦ウラ側
「雪がぱらつくぐらい寒い日でした。その状況でも132キロぐらい投げていて。やっぱりいいピッチャーだなと。どうにか縁がつながらないかなと思ったんですけど、ちょうどその1週間前に中国大会の準決勝で負けて、センバツ出場が厳しい状況になっていました。この状況だとアピールは難しいかな、どうやったら実るのかなと思いながら見ていましたね」
地道に信頼を…木下「熱い人だなと」
木下は、高川学園のことを「あまり知らなかった」ので、西岡ら指導者陣についての知識も当然ない。だが、この日も自分の投球を見つめる「高川学園の人」の熱意を感じ取ってはいた。木下の回想だ。
「大会だけじゃなくて、練習試合にも来てくださっていたのは気づいてました。スピードガンで計ったり、フォームのことだったり、すごく細かいところまで見てくださっていて。熱い人だなと思っていました」
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西岡は試合を視察するたびに、木下を指導する岡本と対話を重ねた。能力を称賛するだけでなく、気づいた点も臆せずに伝えた。2人は同じく左投手。左腕の視点から、右投手である木下をどう導いていくかの会話を重ねた。その時間で、互いに共通する野球観を感じ取ったのだろうし、何より「もっと成長してほしい」という西岡の熱意が岡本にも伝わったのだろう。
潮目は変わりつつあった。
〈つづく〉

