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「なんだこれ?ひどいマスクだな…」佐山聡が唖然とした“手書きのタイガーマスク”「もう最悪でした」本人が今明かす、伝説デビュー戦の“まさかの経緯”
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堀江ガンツGantz Horie
photograph by東京スポーツ/アフロ
posted2026/05/06 11:01
急遽作製された手書きのマスクでデビュー戦を闘ったタイガーマスク(1981年)
佐山 それで試合当日にマントが届いたんですけど、これもシーツにマジックでトラの模様が描いてあったんですよ。それでまた「素晴らしいじゃないか!」って言っているから、「これはウソだ」と思って。
椎名 さすがに気づいて(笑)。
佐山 でも仕方がないからその格好で入場したら、客席から笑いが起こっているし、失礼なヤジを飛ばすヤツもいて。「俺はいったいなんなんだ? もう早く帰りたい……」って思いながらリング下まで来たら、新間さんが寄ってきて「おまえ、リングに上がったらそのマントをすぐに取れ!」って怒られちゃって(笑)。
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玉袋 さっきまで「素晴らしいじゃないか」って言ってたのに(笑)。
名勝負の裏にあった、本人の意外な思い
佐山 言われたとおりにやって、怒られて。それも試合前ですよ?(笑)。で、リングに上がっても拍手も何もないし、もう最悪でしたね。それから試合が始まって、サミー・リーの動きをどんどんやっていったら、イギリスではそれで会場が沸くんですけど、日本だとそれが全然ないんですよ。
玉袋 でも観客は唖然としていたというか、声も出ないくらい凄いものを見たってことだったんですよ。
佐山 日本のお客さんは海外に比べると静かなんですよね。でもボクは3年近く海外に行っていたんで、その感覚がわからなくて。最後にジャーマンで勝ったときも「早く帰ろう」と思ったんですよね(笑)。
椎名 タイガーマスクのデビュー戦は歴史に残る名勝負ですけど、佐山さん本人は納得がいってなかったんですね。《最終回に続く》
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