甲子園の風BACK NUMBER
「名門女子校→共学」直後に…野球部に29人も入部、岩手の私立校に“あの有名監督”がやってきた…名門「白百合」になぜ野球部できた? 現地で取材
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柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byYuji Yanagawa
posted2026/04/26 11:01
今春、名門「白百合」系列の中高で初めて共学化に踏み切った盛岡白百合学園(岩手)
「岩手という地方都市において、女子教育だけに特化した学校はなかなか難しい時代になりました。もともとカトリック教育は女子だけのものではないと私は思っていて、男子にも門戸を広げて、岩手県唯一のカトリック学校として再スタートを切ったのが今年度です。岩手県には野球が盛んな学校が多く、野球部のない学校を探すのが難しいぐらいです。共学化にあたって、そのスタートラインから、メジャーな部活である野球部を立ち上げて、勝負した方がいいかなと思いました。共学化を発表した2024年6月の時点で、硬式野球部を作ることは決めていました」
お嬢様学校と、汗臭い男子の硬式野球部。なんとも不釣り合いで、それが面白い。
「野球は高校教育においても特別なスポーツで、真摯なスポーツの印象の方が私は強かった。共学化にあたって、サッカー部の創部も考えましたが、私のなかでは野球の方が硬派なイメージがありました」
じつは多い「元女子校」の強豪校
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2002年に女子校から共学となった愛媛の私立・済美は、同時に硬式野球部を創部し、1期生が3年生となる2004年のセンバツに初出場し、初優勝を遂げた。現在、甲子園の常連となっている鹿児島の神村学園や群馬の健大高崎なども、もともとは女子校だ。共学化にあたり硬式野球部を創部し、甲子園で校名を宣伝して生徒募集につなげてきた前例は少なくない。
「白百合というと、女子校のイメージがすごく強い。白百合の校名が入ったユニフォームを着て、まさしく汗臭く野球に励むそのギャップこそが、白百合が共学になったことを(世間に)打ち出すことにつながると思っています」
共学化そして野球部の創部にあたり、浅沼が託した男こそ2019年に物議を醸した野球指導者で、ちょっと変わり者の國保だった。
〈つづく〉


