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「コズエンを破壊して玖麗さやかを自立させる」上谷沙弥の危険な優しさ…なぜ“格下”の挑戦を受けるのか?「スターダムの未来という部分だけは…」

posted2026/04/16 17:00

 
「コズエンを破壊して玖麗さやかを自立させる」上谷沙弥の危険な優しさ…なぜ“格下”の挑戦を受けるのか?「スターダムの未来という部分だけは…」<Number Web> photograph by Essei Hara

4月26日、横浜アリーナ。赤いベルトの王者・上谷沙弥はコズエン解散を条件に、玖麗さやかを相手に10度目の防衛戦を行う

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原悦生

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 スターダムの赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)を保持する上谷沙弥(29歳)の10度目の防衛戦が4月26日、横浜アリーナで行われる。1年前、上谷は同所での「敗者引退マッチ」で中野たむを引退させた。今回の相手は玖麗さやか(25歳)だが、玖麗が負けた場合、所属するユニット、COSMIC ANGELS(コズエン)を解散することが挑戦受託の条件となった。

「私は一切呪われてない。玖麗が呪われてる」

「ここ数カ月、ほんの少しだけ心に余裕ができたよ」

 上谷は現在の心境を語った。

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「昨年は目標のプロレス大賞MVPに向けて走っていた。なんか切羽詰まった、ヒリヒリとした毎日を過ごしてきた。初めてのケースだし女子が(受賞)可能かどうかもわからなかったからな。受賞が決まって、授賞式が終わってほんの少しだけ気持ちが楽になった」

「みんなとは違うよ!(笑)みんなが持っていないものを私は手にいれたから。沙弥様だけ特別だな。自信になったよ。メンタル強くなったかな。必死だったよ。今も必死だし、一切気は抜いてないけどね」

 玖麗が上谷の前に姿を見せたのは、2月7日の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)だった。挑戦の意思表示だったが、「帰れ」と上谷に言われると用件だけを伝えて素直に帰った。だが、上谷が脱臼した手の指の負傷が癒えて3月に復帰すると、玖麗はしつこくアプローチしてきた。それが昨年5月に後楽園ホールで戦ったときの玖麗との大きな違いだった。

「玖麗には『あなたの呪いを解く』みたいな感じで言われてるんだけど、私は一切呪われてない。たぶん玖麗が呪われてるんじゃないかな。玖麗は抽象的な表現をする選手じゃなかった。何かが憑依しているのかなって感じる。玖麗に何かが宿っている。とりつかれている。何かに動かされているんじゃないか。襲撃してきたり、強気な発言を繰り返したり」

「実力も実績も誰がどう見ても足りないけれど、あまりの思いの強さに押された。玖麗は確かにスターダムの未来という部分だけは持っている。沙弥様だって、そういう部分は大事にするからな。今までもそうしてきたし、自分はプロレス界の未来のために動いてきたという自負がある」

「だから『オマエは何を懸ける』と宿題を出したんだ。『引退なんて言うなよ』と。そうしたら、玖麗はコズエンを懸けてきた。いい答えだったよ。去年、中野たむから唯一奪い残したものがコズエンだった。ちょうどパズルの最後のピースを埋めたいと思っていたからな。中野たむのすべてを奪うと言って引退させたけれど、コズエンが残っていた。コズエンはリーダーさえ決まってない。コズエンを破壊して沙弥様は玖麗を自立させようとしているんだよ。優しいだろう」

【次ページ】 「やっていることも、格も、すべてが違いすぎる」

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