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「守られているだけ」王者・青野未来が“じつは揶揄されていた”過去…人気女子レスラーを強くした“ライバル関係”「桜井麻衣とタイトルマッチなんて…」

posted2026/04/13 17:02

 
「守られているだけ」王者・青野未来が“じつは揶揄されていた”過去…人気女子レスラーを強くした“ライバル関係”「桜井麻衣とタイトルマッチなんて…」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

マリーゴールドの頂点、“真紅のベルト”ワールド王者の青野未来

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 役者、タレントから女子プロレス団体のトップへと至る道のりは、決して平坦ではなかった。

 マリーゴールド所属の青野未来は現在、団体の頂点である“真紅のベルト”ワールド王座を保持している。昨年10月の両国国技館大会で林下詩美を下しての戴冠だった。林下はスターダム時代に東京スポーツ認定の女子プロレス大賞を受賞したほどの選手だから、今の青野は名実ともにマリーゴールドのトップと言っていい。

 マリーゴールドは2024年5月に旗揚げ。代表はスターダム創設者のロッシー小川氏で、旗揚げ会見は小川氏とスターダム離脱選手を中心に行われている。

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 そこに合流してきたのが、青野をはじめとするアクトレスガールズ出身の選手たちだ。“女優によるプロレス”を謳うアクトレスガールズは中野たむ、なつぽい、安納サオリといった人気選手を輩出してきたが、2022年からは路線を変更。プロレスのフォーマットを使ったエンターテインメントという形式となった。

つきまとった「試されている」感覚

 多くの選手が本来のプロレスを続けたいと退団していった。押し上げられるようにトップに立ったのが青野だ。「芸能人に何ができるんだ」と言われながら力をつけている最中のこと。まだまだ先輩から吸収したいこともあったのだが、その先輩たちがごっそりいなくなった。新体制のエースとなった青野だが、アクトレスガールズではやり尽くしたという思いでマリーゴールドへ。旗揚げ戦ではアイスリボン出身の石川奈青と対戦した。これは一種の“査定試合”だった。

 青野に限らず、アクトレスガールズからマリーゴールドに合流した選手たちには、常に「試されている」という感覚があったようだ。団体の路線変更により、2年もの間“プロレスファン”にほとんど見てもらえなかった。新体制のアクトレスガールズでデビュー後、マリーゴールド入りした選手もいる。それまでスターダムを中心に見てきたファンも多いから、どうしても「誰なんだ?」、「どれだけできるんだ?」という目で見られてしまう。

 そんな中で、青野は「一つ一つ乗り越えていったことが力になりました」と言う。試練はチャンスの裏返し。団体初のビッグマッチである両国国技館大会(2024年7月)で“純白のベルト”ユナイテッド・ナショナル(UN)王座戴冠を果たすと、その後も大ベテラン・高橋奈七永の引退試合の相手を務めるなど重要な試合に登場してきた。大会場ではすべてシングルマッチが組まれている。

 マリーゴールドでの青野は、得意の蹴りがさらに威力を増したように見える。本人に聞くと、「そこは信頼関係でしょうね」。思い切り蹴ることができる相手が多いということらしい。強くて頑丈な選手がたくさんいるから、青野の身上であるパワフルなファイトがさらに引き出されたわけだ。

 心構えも変わった。路線変更後のアクトレスガールズでは引っ張る立場。後輩を指導し、成長を促す役割も担っていた。だがマリーゴールドでは一選手として「まず自分自身が強くならなくてはいけなかったですね」。

【次ページ】 ショックだった“桜井コール”

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