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「あんたは主人公なんだから」古賀紗理那が夫・西田有志との“ルール”を破ってまで伝えたこと「私と結婚してからマジメになりすぎた気がして…」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2026/04/21 11:02

「あんたは主人公なんだから」古賀紗理那が夫・西田有志との“ルール”を破ってまで伝えたこと「私と結婚してからマジメになりすぎた気がして…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

第一子を出産した今もバレーボールへの探究心が尽きない古賀紗理那さん。夫・西田有志との会話も実に興味深い内容だった

 練習や試合をまとめた自身のプレー動画を毎日古賀にも共有し「どうだった? どう思った?」と意見を求めてくる。アスリート夫婦としては理想的な姿のようにも見えるが、古賀はあえて助言を控える。

「私のことをリスペクトしてくれて、いろんなことを聞いてくれるのはすごくありがたいんですけど、私と結婚してから彼がそれまで以上にものすごくマジメになりすぎた気がしていて。もともと人の話をすごくちゃんと聞く人ではあるんですけど、聞きすぎてしまうと彼の良さも消えてしまう。変えたほうがいいんじゃないかと思うところがあっても『ここがちょっと気になるけど、感覚がいいならそのままでいいんじゃない?』と言う程度で具体的には話さない。そもそも私とはプレースタイルも違うので、同じである必要はないと思うんです」

 自身は好不調の波は少なく常に一定のパフォーマンスを続けたいタイプ。野球ならばアベレージヒッターの部類だが、古賀の分析によると西田は違う。豪快な三振もあるが、それ以上に特大のホームランを放つ。大爆発した時はもはや誰にも止められない。それこそが強みなのだから、その武器を磨いて発揮し続けてほしい。そう願うからこそ、自身に課した「言いすぎない」というルールを破って、あえて西田に伝えたことがある。

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「私の言うこと、あんまり聞かなくていいよ。私にはない爆発力を持っているんだから、もったいないよ。たとえトスがよくなくても器用に打とうとするんじゃなく、『俺、こんなトスも打てるんだぜ』ってバンバン打ったほうがカッコいい。そもそもあんた、主人公なんだから」

 効果はてきめん。妻の言葉から数日後、3月15日のジェイテクトSTINGS愛知戦で西田は大爆発した。22本のスパイクを放ち、15本を決めスパイク決定率は68.2%。サービスエース1本を含むサーブも絶好調で、この試合のPOMにも輝いた。

「マジで主人公なんですよ(笑)。でも自分が主人公だと思うのは、すごく大切なことなので、彼の場合は常に『最後は俺に持って来い』でいいと思う。だから私も見ていてスカッとしたし、これだよこれと思ったので、それも正直に伝えました」

 選手として進化の過程にいる夫と、これからを担う世代に自身が培ってきた技や知恵を伝えたいと願う妻。母という新たな立場も加わったが、アスリートとしての真髄は変わらない。

 古賀紗理那、そして西田家はこの先、どんなストーリーを紡いでいくのか。その時々を楽しみながら、未来へ向け、新たな一歩を踏み出していく。〈全3回・第1回から読む〉

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「顔は完全にパパ似」古賀紗理那が初めて明かす“子育て”生活「子どもが産まれても、うちは西田有志が中心だからね」アスリート夫婦のリアルな日常
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