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「サントリー退団」24歳高橋藍が“SVリーグの顔”として背負った重圧「ただの客寄せパンダに…」観客爆増だけじゃない、同僚が語る“本当の藍効果”
posted2026/05/20 11:02
スーツ姿でSVリーグのアワードに参加した高橋藍(24歳)。リーグ連覇は逃したが、2年連続でベスト6とレシーブ賞に選出された
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
MATSUO.K/AFLO SPORT
最後はサービスエースで、雌雄は決した。
奪った者と奪われた者。
大阪ブルテオンの西田有志とサントリーサンバーズ大阪の高橋藍。戦いを終えた両チームのキャプテンが、涙で固い抱擁を交わした。
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1勝1敗で迎えた2025-26SVリーグ男子チャンピオンシップファイナル第3戦。3連戦の疲労を隠せないサントリーは、ブルテオンの堅いブロックディフェンスを打ち破れず、逆に第2戦から火がついた西田を止められない。第3セット24-18、ブルテオンのマッチポイントで西田が放った渾身のサーブは、うなりをあげて高橋の左横に突き刺さった。世界トップレベルのレシーバーである高橋でさえ、反応するのがやっとの豪球。その瞬間、王座は奪われた。
引退するムセルスキーへの想い
1年前、SVリーグ初代王者に輝き歓喜に浸った高橋の頬を、今年は悔し涙がつたった。
「いろんな感情がありました。このチームが終わってしまう、やっぱり最後、ディマ(ドミトリー・ムセルスキー)に、勝たせたかったという思いもすごく自分の中であったので、非常に悔しかった。一緒に勝って終わりたかったなという心残りはあります」
高橋自身も今季限りでのサントリー退団を発表し、来季は海外でプレーするとみられる。だが自身のことよりも、「ディマに最後いい思い出でバレーボール人生を締めくくって欲しいし、自分もそこに貢献したい」と、今季現役を引退するムセルスキーの花道を飾ることを使命としていた。
ムセルスキーは、ロンドン五輪で金メダルを獲得した身長218cmの元ロシア代表で、サントリーではオポジットとして8シーズンプレーし、Vリーグ時代を含めると6季連続のファイナル進出、そのうち4度優勝に導いたレジェンドだ。
イタリア・セリエAで3シーズンプレーしたのち、昨季サントリーに加入した高橋が、この2年間の収穫としてまず挙げるのがムセルスキーとともにプレーできた経験だ。

