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「何の意味があるのだろう、という疑問を…」小笠原慎之介が明かすジレンマ「球団方針との板挟み」「練習量が物足りない」メジャー昇格目指す2Aのいま 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2026/04/07 11:01

「何の意味があるのだろう、という疑問を…」小笠原慎之介が明かすジレンマ「球団方針との板挟み」「練習量が物足りない」メジャー昇格目指す2Aのいま<Number Web> photograph by AFLO

ナショナルズ傘下2Aからメジャー昇格を目指す

 小笠原としては、結果を出すためにやりたいことをできず、しかし球団の指示に従う。練習強度は「物足りない」という思いが常にある。自分のやりたいことが封じられ、すべてを出し切った上で評価されているわけではない、という悩ましい現状がある。練習強度を上げられない。しかし、球団からは球速アップを要求されているという矛盾がある。

「自分の去年の後半戦での平均が91マイル(約146.5km)くらい。だから2、3マイルのアップは、欲しいんでしょうけど、(キャンプの)1カ月で上げられるようなものでもない。もう20年間くらい野球をやっている。毎年オフにパワーをつける取り組みをしてきて、球速を上げる難しさは体感しています。そう簡単に球速を上げて、三振を取ってくれ、って指示されても、すぐにそれができるなら、もうやっています」

 球速アップ、奪三振率の向上、そして負傷の防止。ナショナルズが掲げる方針は昨今のパワー野球では当然の取り組みだが、コントロールや緩急で勝負するスタイルを持ち味にする小笠原にとっては、画一的な方針を強制されることに違和感もある。

「疑問を持ち続けて…」板挟みの苦しさ

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「自分が評価されてこっちに来たのってコマンド(制球)能力だし、色々な変化球をストライクゾーンに投げ込めるというのが評価されているのだと思う。球速を上げようと思えば上がるかもしれないけど、ボロボロに打たれた時どうするんだろう、って。(戦力外通告を受けて)自分の野球人生がなくなっちゃう。この先の野球人生、誰が責任を取ると言った時に、自分が責任を取らなきゃいけない」

 自分が納得する取り組みで結果が出ないなら、受け入れることもできる。しかし、今は自分のやりたいことと、球団の管理で板挟みになっている苦しさがある。

「自分の人生は100%信じ込んでやるというスタイルではない。何か(向上するために)疑問を持ちながら、自分のスタイルは消さずに模索する。信念を持ちながらもチームの方針に従ってやる時はやるし、でもそれは何の意味があるのだろう、という疑問を持ち続けて野球をやってきている」

 米球界2年目はマイナーの2Aからスタート。3Aよりも1つ下のカテゴリーということは、一見メジャー昇格は遠のいたようにもみえる。しかし、2A所属は単純な「降格」を意味しない。むしろ、小笠原とチームにとって、絶好の“テスト”ができる機会かもしれない。その理由は――。〈つづく〉

#2に続く
小笠原慎之介…3A→2Aは降格?「実はメジャー昇格にメリットも」球速、奪三振率アップ重視の米球界に葛藤も「僕は結局、野球が好きなんです」

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