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「イングランド記者たちが沈黙…まるでお通夜」その一方、三笘薫と鎌田大地が試合直後に意外な本音…“テレビ中継には映らなかった”森保ジャパン舞台ウラ
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2026/04/03 11:01
イングランド戦で躍動した鎌田大地と三笘薫
「やっぱりまだレベルの差は感じる」
「本当の強豪と言われるようなチームが相手となれば、自分たちは50ー50で対等というよりも、やっぱり彼らの方がまだ格上という部分もある。ゼロで進むのは大事だし、0ー1になったとしても0ー2にならないようにというのはすごい大事。もちろん先制点が取れればまた違う展開になると思いますけど、できるだけ失点せずにゲームを進めていくのはどこのチームでも大事なのかなと思います」
つまり、鎌田には自信はあるが過信はない。だからだろう。取材エリアではイングランドへの歴史的勝利にも興奮の欠片を見せることはまったくなかった。
結果的にイングランド戦は前半の先制点を守り切っての勝利となったが、「自分たちが理想としていたゲーム展開に持っていくことができたけど、やっぱりまだこういうレベルのチームとの差は感じる」と語っていた。その言葉から分かるのは、相手との力関係を的確に把握しつつ、その中で勝利を掴み取る道筋を見出して周りを巻き込みながら実行していく、質実剛健な能力を鎌田が持っているということだった。
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鎌田が淡々とした口調で日本メディアの質問に答えていた背後では、イングランドの選手がほとんど止まらずどんどん引き揚げていた。鎌田とほぼ同じタイミングでメディア対応をスタートしたDFエズリ・コンサは誠実に受け答えしていたがその時間はやはり短かった。
昨年は「実力不足なだけです」と語っていた三笘は…
そして、ミックスゾーンタイムも終盤に差し掛かった頃にやってきたのが三笘だ。ウェンブリーの高揚感がMAXだったのは皮肉にもキックオフから20分頃まで。90分間の試合中には観客が「退屈」を示すときに出現するウェンブリー独特のスタジアム文化である紙飛行機が何度も飛んでいたのだが、イングランドファンをまさに「退屈」にさせたのが三笘の一撃だった。
そのシーンは前半23分。三笘は中盤でボールを奪うと、一気にショートカウンターを開始した。すると、日本の素早いペースアップに対して後手に回ったイングランドの中盤選手が開けたわずかな隙間を中村敬斗が突き、フェイント気味なモーションから鋭い横パスを供給。三笘が迷いなく走り込んで右足ダイレクトで流し込んだ。イングランド代表GKジョーダン・ピックフォードにとって代表では922分ぶりの失点だった。
先制点を決めた直後は高らかなジャンプと握りこぶしで歓喜を表した三笘。度重なる負傷に苦しんだ昨年は日本代表活動でも持ち前の切れ味のある突破が見られず、9月のアメリカ遠征では「実力不足なだけです」と表情を曇らせていたが、昨年末頃からブライトンでパフォーマンスの向上を示しており、半年ぶりの代表復帰となったこの3月シリーズで所属チームでのプレーぶりとリンクする見事な躍動を見せた。
