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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「Netflixへの憤りはない」WBC“商用利用NGで放映断念”野球居酒屋に聞いた本音「前回は午前中も満席だった」街ではゲリラ放映も…Netflix独占問題の実情
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/24 17:00
Netflix独占配信となった2026年のWBC。準々決勝で敗れた日本の最後の打者は大谷翔平だった
しかしもちろん、ゲリラ的に、あるいはNetflixの規約を知らずにWBCを店内で放映する店も少なからず存在した。3月6日に新宿で、日韓戦が行われた7日に渋谷でそれぞれリサーチを行ったところ、複数の飲食店が店内のモニターでWBC中継を映していた。筆者は実際にそのうちの4店舗に入店したが、話を聞いたかぎり、いずれの店も「商用利用NG」というNetflixの規約をはっきりと了解しているようには思えなかった。
「めっちゃ足細くない? お尻ちっちゃ!」
新宿のあるバーで、店員の女性が台湾のシャー・ズーチェンのスタイルを褒めていた。日本の大量リードによって弛緩した試合の内容よりも印象に残る、やけに具体的な指摘だった。
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7日に入った渋谷の居酒屋でも、店内の大きなモニターで韓国戦を放映していた。後ろめたい気持ちを少しでも減じさせるため、自分のスマートフォンでもNetflixの中継を流しながら、WBC目当ての客で混雑していく店内の状況を見つめていた。
いわゆる「WBC警察」のようなことをする意図は毛頭ないし、現実的に考えれば、Netflixが個々の店舗に対してなんらかのアクションを起こす可能性は低いだろう。では、規約を遵守して放映を断念した店の当事者は、どんな思いを抱いているのだろうか。
放映を断念した店主「Netflixへの憤りはない」
日本が4戦全勝でプールCを突破した後の3月12日、神田駅近くの「リリーズ神田スタジアム」の店主・高橋雅光さんに話を聞くことができた。過去にも多くのメディアで取り上げられてきた野球居酒屋の有名店だ。
「報道関係の方はどうしても結論ありきで、“街の居酒屋も憤っています”的なコメントを欲しがっている部分があると思うんですけど、前提として、Netflixへの憤りというのはまったく持っていないです」
高橋さんは淡々と語った。日本ラウンドの4試合が行われた夜は、店での放映は実施せず、店内を3つのスペースに分割しての貸切営業という形式で乗り切った。苦肉の策だったが、「思ったよりもお客さんは入ってくれた」と高橋さんは明かす。
「正直ね、全然ガラガラでもしょうがないなと諦めてはいたので。そういう意味においては嬉しい誤算でした」

