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「“年齢規定超え”27歳でやっと」「高校生棋士誕生ならず」プロへの“競争率20倍”将棋三段リーグという難関「有望な若い芽を摘んでほしくない」
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田丸昇Noboru Tamaru
photograph by日本将棋連盟
posted2026/03/22 06:01
例年、激しい戦いとなる三段リーグ。2025年度、将棋界は最多となる7人の新四段が生まれた(写真はイメージ)
◆小窪碧(こくぼ・あお)
2005年10月3日生まれ。東京都調布市出身。中村修九段(63)門下。16年9月に奨励会入会。三段リーグは9期。得意戦法は振り飛車。趣味は音楽。
◆川村悠人(かわむら・ゆうと)
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1998年12月22日生まれ。神奈川県川崎市出身。小倉久史八段(57)門下。11年6月に奨励会入会。三段リーグは17期。得意戦法は矢倉。趣味は大相撲の観戦。
◆古井丈大(ふるい・じょうだい)
2004年7月26日生まれ。東京都杉並区出身。石川陽生七段(63)門下。17年9月に奨励会入会。三段リーグは7期。得意戦法は四間飛車。趣味は鉄道。
三段で8年半も過ごした経歴
小窪は小学3年のとき、最強将棋ソフトに200人のアマが挑んだ企画で、ソフトがあまり経験がない筋違い角戦法を用いて唯一の勝利者だった。目標とする棋士は同年の藤本渚七段(20)で、いつか並んで抜きたいという。四段昇段の記者会見には、中村九段門下の姉弟子の香川愛生女流四段(32)が花束を持って祝福に訪れた。
川村は15年間の奨励会において、三段で8年半も過ごした。心が折れそうにもなったが、気持ちを切らすことはなかったという。子どもの頃から矢倉で戦ってきた。憧れの棋士は中原誠十六世名人(78)で、大師匠(小倉八段の師匠)のような完成度の高い矢倉を指したいという。
古井は昇段のチャンスを何回か逃したので、次点昇段でもほっとしている。当面の目標は順位戦への参加だ。鉄道好きには「乗り鉄」「撮り鉄」などがあるが、古井は「音鉄」だという。電車のモーター音、駅の発車メロディーに引かれる。中でもJポップをアレンジした京浜急行を気に入っている。
昔の新四段は、メガネをかけた学生というイメージがあった。しかし今回の新四段は、メガネをかけない爽やかな青年という感じだ。ある女性週刊誌がビジュアルと棋力を合わせ持つ若手棋士たちを「#S4」として誌面で紹介している。今回の新四段もいずれ登場するかもしれない。
競争率20倍の難関…有望な若い芽を摘んでほしくない
今回の三段リーグの人員は39人。昇段の競争率は20倍という難関だ。次回は3人の新四段や年齢制限による退会者が抜けるが、新三段が入ってくるので、人員が多いことは変わらない。
私こと田丸の個人的な意見では、三段リーグの人員が40人以上になったら、四段昇段者を年間5人に増やすことを提案したい。

