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WBC早すぎる敗退…侍ジャパン“投手継投のナゾ”「なぜ山本由伸を替えた?」「伊藤大海の起用法は…」じつはアクシデント続きだった投手陣の“体調不良” 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2026/03/17 17:30

WBC早すぎる敗退…侍ジャパン“投手継投のナゾ”「なぜ山本由伸を替えた?」「伊藤大海の起用法は…」じつはアクシデント続きだった投手陣の“体調不良”<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

WBCベネズエラ戦で先発した山本由伸(左)と4番手として登板した伊藤大海。侍ジャパンは投手継投がうまく機能せず準々決勝で敗退した

 先頭打者に145kmを右前に叩かれ、次打者には148kmのインハイを左前に打たれた。そして打席に迎えたのがボストン・レッドソックスで昨シーズン22本塁打をマークしているW・アブレイユ外野手だ。

 2ボール1ストライクから打たれたのは146kmのこれまたストレートだった。打たれた瞬間にマウンドの伊藤は肩を落とし、完璧な逆転3ランは右翼席へと消えていった。

 力負けである。

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「非常に直球に強い打者が多かった。日本のほとんどの投手が直球を弾き返された。(ベネズエラの打線は)すごく力があった」

 試合後にこう振り返ったのは井端監督である。

論点4:投手の台所事情とアクシデント

 今回の侍ジャパンは投手での起用を考えていた大谷が打者専任となり、投手陣の人数は参加国の中でも最少タイの14人となってしまった。その上、平良海馬投手(西武)に始まり石井、松井裕樹投手(サンディエゴ・パドレス)と中継ぎ、リリーフ陣に故障離脱が続出。中継ぎの専門職が不足する中、先発タイプの投手がリリーフに回るなどやりくりを余儀なくされたことも投手陣の台所事情を苦しくしたというところもあった。

 加えてこの大会に臨む各国の姿勢も、これまでとは全く異なる文字通り“本気の”大会だった。

 スーパースターを揃えたドリームチームを結成したアメリカだけでなく、ベネズエラやドミニカ共和国、プエルトリコの中南米諸国やイタリア系のメジャーリーガーで快進撃を見せたイタリアなど、どのチームもメジャーの選手たちが集結し、国の代表としての威信をかけた戦いとなった。

 その上、ベネズエラは予選からずっとマイアミに居座っての戦いだったが、日本は1次ラウンドを日本で消化。10日のチェコ共和国戦後の夜中に米国に移動して時差ボケと疲労との戦いでもあった。そのため発熱による体調不良で1日遅れで米国入りした松本裕樹投手(ソフトバンク)だけでなく、米国移動のチャーター機内で種市篤暉投手(ロッテ)も軽い発熱を起こすなどアクシデント続きであったことも間違いない。

 世界一となった前回大会から3年。本気のメジャーリーガーたちとぶつかり、日本は改めてその力の差を突きつけられることとなった大会でもあった。

 この敗戦は単なる1試合ではない。日本の野球がこれからどこを目指し、どういう選手の育成をしていかなければならないのか。その問いを突きつけられた戦いでもあった。

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