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チェコでWBCが生中継…野球人気の今「日本語が書かれたチェコ選手のグローブ」ベンチになぜ日本の達磨? 現地記者は見た「オオタニとの対戦は夢だった」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2026/03/10 11:47

チェコでWBCが生中継…野球人気の今「日本語が書かれたチェコ選手のグローブ」ベンチになぜ日本の達磨? 現地記者は見た「オオタニとの対戦は夢だった」<Number Web> photograph by Getty Images

前回大会に引き続きWBC本戦に出場しているチェコ代表。母国の野球人気は?

「宮崎で論文を執筆」大学生投手も

 その状況は今もほとんど変わっておらず、チェコ野球連盟が作っている今大会代表チームのメディアガイドによると、高校の英語教師、原発設備オペレーター、ベースボールアカデミーのデータアナリストや、大動脈弁置き換え術に使用する医療具の製造技術者という非常に専門性の高い職業の選手もいる。2大会連続で代表入りした27歳の投手フィリップ・チャプカは、大学で宇宙開発技術を学びながら宇宙開発関連会社に勤め、並行して野球も続けている。今回の大会直前の宮崎合宿中には、宿舎に帰ると論文執筆に取り組んでいたという。

 そんな二足のわらじ集団が、目標を遂に達成したのは昨年9月のことだった。オランダ・イタリア・ベルギーで開催された野球の欧州選手権で、チェコは同国代表史上初めてベスト3入りの銅メダル獲得を果たした。オランダが金、イタリアが銀で、ヨーロッパの強豪であるスペインやドイツを抑えての銅。しかし銅までの道のりは険しく、初戦のドイツ戦を1-8で落とし、次のスペイン戦を9-1で、3戦目のスウェーデン戦を10-0で勝ち、4戦目は米国生まれのプロ選手でほぼ占められるイスラエル相手に苦しみながら4-3で辛勝したが、次のイタリア戦は5-8で敗戦。スペインと再戦となった3位決定戦を9-2で制し悲願を果たした。「強い気持ちが奇跡を起こす」のスローガンを掲げて戦った、奇跡的なベスト3入りだった。

 2023年WBCの歴史的初勝利に続く初の欧州選手権メダル獲得の快挙は、チェコ国内の野球フィーバーに拍車をかけ、代表チームのドキュメンタリー短編映画も制作された。今回のWBCの試合も生中継が行われ、大勢の母国のファンがはるばる日本まで応援に駆けつけた。チェコ代表が前回大会にはなかった誇りと自信を身につけているのは、そんな周囲の期待や、ここまでの成功があったからだ。

【次ページ】 「WBCで母国の野球熱が高まった」

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