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チェコでWBCが生中継…野球人気の今「日本語が書かれたチェコ選手のグローブ」ベンチになぜ日本の達磨? 現地記者は見た「オオタニとの対戦は夢だった」
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2026/03/10 11:47
前回大会に引き続きWBC本戦に出場しているチェコ代表。母国の野球人気は?
「WBCで母国の野球熱が高まった」
前回大会のように、東京ドームに到着するやいなやグラウンドに飛び出して東京ドーム特有の天井の様子を食い入るように見上げる選手たちの姿はもうなく、球場入りは静かで落ち着いていた。それどころかナイターの試合だった大会初日の球場入りは、予定されていた時間を大幅に遅れ午後4時15分頃。試合前の監督会見が午後4時に設定されていたため、会見も30分以上遅れた。チームは球場入り前に宿舎のホテルでミーティングを行っていたので、話し合いに熱が入り時間が押したのかもしれない。それは、この大会にかけるチームの気合を感じさせる出来事だった。
2大会連続で代表入りしたマルティン・シュナイダー投手に話を聞くと、
「3年前のWBCで母国の野球熱が高まったというのは、確かに実感している。私が野球をやっていることを知っている人が周囲に増えたし、野球の話を日常でもする機会が増えた。ただ街を歩いていて知らない人から声をかけられるようなことはないけれどね」
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そう言って笑った。彼は今大会開幕の前日に40歳になった大ベテランで、本職は消防士。年齢的にピークを過ぎケガにも苦しんだがそこから復活して代表入りを果たし、3年ぶりに訪れた東京ドームだ。
「3年前はすべてが初めてのことで右も左もわからないという感じだった。でも今回は、気持ちにもっと余裕があって、落ち着いている。怖かったり不安だったりという感情はもうないし、自宅に戻ってきたような感覚だよ」
ベンチに日本のダルマ…なぜ?
ただ監督や選手らの日本に対するリスペクトと愛情は、前回と何も変わっていなかった。前回大会で佐々木朗希に死球をぶつけられても大丈夫だとアピールしながら必死に耐えて試合に出続け、紳士的なその行動が話題になったウィリー・エスカラは、この大会で使用しているグラブに「エスカラ」と日本語で刺繍を入れている。こちらがそれを見つけると、エスカラはにっこりと笑いながらグラブを「もっとよく見て」といわんばかりに差し出してきた。

