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「非常にぬるいチームなので」川崎フロンターレDFの“問題提起”その後…谷口栄斗は何を伝えようとした?「自分自身もよりやらないと」本人が語った真意
text by

いしかわごうGo Ishikawa
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2026/03/05 11:39
明確な結果を求めて東京ヴェルディから川崎フロンターレに移籍した谷口栄斗(26歳)。加入1年目ながら、勝利にかける思いは非常に強い
彼のために伝えておきたいのは、チームに対する問題提起をした上で、自分自身にも強い矢印を向けていたということである。言葉の続きには、「日頃の練習から厳しさを求めないといけない」「自分自身が嫌われ者になってでも、やらないといけない」「僕がやっていってどんどん伝染していけばいい」という自らの決意も強く口にしていた。メディアを通じて伝えたかった真意は、むしろこちらの方だったという。
ただこちらの言葉は、メディアによっては掲載を省略されていたことで、冒頭の「ぬるいチーム」というコメントが拡散されることとなった。完敗を喫した内容も相まって、川崎の現状を物語る言葉として切り取られるような形で世に広まった。
副キャプテン・佐々木旭も同意「まだまだ足りない」
本人が言うように、もう少し賢く生きる術もあったのかもしれない。直線的な言葉をメディアに伝えずにうまく立ち回れば、大きな波風も立たなかっただろう。しかし、加入してからずっと抱えていた葛藤を誤魔化し切れなかったのかもしれない。だからこそ投じた言葉であり、優勝するために移籍してきた覚悟の証でもあるように思えた。
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実際のところ、現在の川崎の練習は「ぬるい」のだろうか。
以前の取材環境とは異なり、コロナ禍以降は非公開練習が原則だ。報道陣に公開されるのはオフ明けのトレーニングが中心で、実戦を想定した強度や空気感が確認できるような戦術的なメニューや紅白戦はほとんど見学できない。そのため、こちらが判断できるような材料が少ないというのが正直なところだ。ただ試合のピッチで表現されるものを突き詰めていくと、行き着く先が「練習での日常」だというのも事実である。
チームメートは現状をどう感じているのだろうか。
オフ明けの練習後、完全合流を果たしている副キャプテンの佐々木旭は、迷うことなく言い切った。
「それが練習の雰囲気と繋がっているんだとしたら、まだまだ足りないと思います」
そう切り出して、谷口に同意した。

