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「今だから話せる」「すでに結婚。1歳の息子が」20代前半で“8カ月無収入”に「本当にひどい扱いを」妻も同情…Jリーグ最強級ブラジル人MFの引退危機
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2026/03/12 17:00
アルビレックス新潟を皮切りにJ各クラブで活躍したレオ・シルバ。今は何をしているのだろうか
「2009年末、当時の代理人から『ポルトガルのクラブからオファーがあった』と告げられた。『でも、入団するには移籍金をゼロにする必要があり、クルゼイロとの残り2年の契約を破棄してフリーの立場にならなければならない』。そこで契約破棄を申し出て、了承された。ところが、フリーの身分になった直後、ポルトガル移籍の話が忽然と消えた。代理人からも『契約は更新しない。別の代理人を探してくれ』と言われた。何が起きたのか全く理解できず、頭を抱えた」
――それは大変な状況でしたね。
「どうやら、クルゼイロが僕を持て余し、代理人と結託してポルトガル移籍の話をでっち上げ、給料支払いの義務から逃れるために契約を破棄させたらしい」
すでに結婚して1歳の長男が
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――もしそうなら、かなり手の込んだクラブと代理人のやり口ですね。それで、別の代理人を探したのですか?
「もちろん探したんだけど、なかなか良い代理人が見つからなかった。当時、僕は24歳になったばかり。シーズン開幕前だったから、当初は『いずれ良いクラブが見つかるだろう』 と考え、個人トレーニングを始めた。毎日、友人に協力してもらって公園や空き地でボールを蹴り、フィジカルも鍛えた。でも、シーズンが始まって2~3カ月が過ぎても全くオファーがない。さすがに焦り始めた」
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当時の個人練習に毎日付き合ったのが、親友のジュリオ・セザールだ。彼は「僕もサンルイス出身で、若い頃、URTのアカデミーで一緒にプレーした。彼はいつも明るくて、とてもいい男。所属クラブがなくて落ち込んでいたから『いつかきっとチャンスが来るよ。それまでの辛抱だ』とレオ・シルバを励ました」という。
◆ ◆ ◆
――それはつらいですね。当時は、まだ独身だったのですか?
「いや、すでに結婚していて、1歳の長男がいた。精神的にも経済的にも、とても苦しかった。収入がないので、恥を忍んで妻の実家に住まわせてもらった」
――奥さんやそのご両親の当時の反応は?
「妻は『あなたには才能がある。いずれ、必ず良いクラブからオファーが来るわよ』と励ましてくれた。妻の両親も、僕を信頼してくれた。それだけが救いだった」
当時は練習に真剣ではなく、食事や休養も…
――でもいつまでも無収入、というわけにはいかない。
「もちろんそうだ。そこで、もし9月までにオファーがなければ選手としてのキャリアを諦め、別の仕事を探そう、と考えた。すると、8月にグアラチンゲタというサンパウロ州の小クラブから1年契約のオファーを受けた」
――どのような条件だったのですか?

