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「これが私のオリンピックです」“銀メダル2つ”坂本花織が最後の五輪で漏らした本音「緊張でもなく恐怖…一人になると不安で涙が止まらなくなってます」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto / JMPA
posted2026/03/03 17:00
3度目にして最後の五輪で坂本花織は団体戦と個人戦で2つの銀メダルを獲得した
選手村では、日本男子のエースである鍵山優真からこんな質問をされた。
「花織ちゃんって緊張するんですか? 緊張とどうやって向き合ってますか?」
その質問は、衝撃だった。
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「優真くんって、演技前に応援席にガッツポーズできるようなタイプだったんです。でも北京からの4年間、色んなプレッシャーを感じながらやってきたんだなと。ちょっとおこがましいですけど、自分なりのアドバイスをして。『自分の演技は頑張って、それ以外のところは皆を盛り上げて楽しもう』と話しました」
団体戦で坂本は、ショート、フリーともに首位となり、日本の銀メダルを引き寄せる。応援席では声を張り上げ、一瞬一瞬を楽しんだ。
「団体戦って、フィギュアでのオリンピックメダリストがかなり増える。それだけでも嬉しいことなので、頑張ろうという思いを強くしました」
自分のメダルではなく、みんなのメダルを喜んだ。
最後のオリンピックなので、どの瞬間も目に収めたい
団体戦から個人戦まで、女子は中8日空く。その期間も、男子やペアの応援に欠かさず通った。
「最後のオリンピックなので、どの瞬間もこの目に収めたい。男子もペアも応援して。チームジャパンが少しでも明るく過ごせたら良いなと思いました」
しかし仲間への思いが強ければ強いほど、一喜一憂も大きくなる。男子フリーでは鍵山が結果こそ2位だったものの、いつにないミスを繰り返した。
ペアのショートは、りくりゅう(三浦璃来&木原龍一)が、不運なミスで5位発進。すると女子ショート前日、記者の前でぽろぽろと涙を流した。
「緊張でもプレッシャーでもなくて、恐怖。優真くんやりくりゅうのようなストイックな人たちでも、予期せぬミスがある。『自分もそうなるな』と。バスの中や部屋で一人になると不安が押し寄せてきて、涙が止まらなくなってます」
ただ、こうやって不安を人に見せられるのが、坂本の強さでもある。
「泣くだけ泣いて、老廃物すべて流し出します」
その夜、ペアのフリーを観戦し、りくりゅうの逆転劇を見た。
「本当に感動しました。ショート後の夜に『花織ちゃんに良いバトン渡すから』って言ってくれてて。そしたら黄金のバトンが届いた。もう絶対に落とせません。自分も行ける気しかしない!」
迎えた女子ショート。曲は『Time To Say Goodbye』だ。
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