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「なんでここで出せなかったかな…」“銀メダル2つ”坂本花織が嗚咽とともに初めて漏らした“本音”と、忘れなかったチームジャパンへの“愛”「いつでも盛り上げます!」

迎えた集大成の夢舞台。開幕直後の団体戦から仲間と泣き、笑い、銀盤を感情豊かに駆け抜けた。しかし、ラストダンスとなるフリーで綻びが。表彰台でこらえきれなかった涙の真意とは。(原題:[五輪に別れを告げて]坂本花織「旅立ちの銀メダル」)

「このオリンピックは、楽しい、嬉しい、苦しい、悔しい、色んな感情のジェットコースターでした。その爽快感はすごかったです。全部を含めて、これが私のオリンピックです」

 今季限りでの引退を宣言して臨んだ3度目の五輪。坂本花織は、団体戦、個人戦どちらも銀メダルを獲得した。だが、そのメダルを濡らした涙は、違う味。あらゆる思いを詰め込んだ2つの輝きを、21年間のスケート人生の彩りに加えた。

「目標は、団体戦も個人戦も、銀メダル以上です」

 昨年6月、地元神戸のスケート場のオープニングで、今後の去就を伝えた。神戸市唯一となる通年型リンクの完成は、自らのためというより、後輩を育てる環境が整ったことを意味していた。

「自分の競技人生は1年を切ってます。セカンドキャリアでは、インストラクターとして、神戸から世界に羽ばたく選手を出していけたらな」

 シーズンイン前に、引退後のことに触れるのは異例。それくらい、自分だけで競技しているのではなく、まわりの人と共に生きるという思いがあった。

 12月に五輪代表に決まると、1月29日にイタリア入りした。

「最初の平昌オリンピックは、出られるだけで嬉しかったです。出られなかった選手への気持ちもあって、本当に頑張りました。北京オリンピックは、団体戦も個人戦もメダルを取れたことで、自分でも頑張ればメダリストになれるんだと感じた大きなターニングポイント。そこから世界女王になる素晴らしい経験をして、ここまで来ました」

 3度の世界女王として、金メダルが期待される立場。しかし、かたくなにこう言い続けた。

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photograph by Asami Enomoto / JMPA

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