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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「リュウイチはリクを落とさなかった」木原龍一が“リフトの失敗”で苦しんだ本当の理由…コーチがついに明かす大復活ウラ側「リクに感銘を受けた」《五輪後初の単独インタビュー》
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田村明子Akiko Tamura
photograph bySunao Noto/JMPA
posted2026/02/28 11:03
ミラノ五輪フリーで会心の演技を見せた三浦璃来と木原龍一
コーチが考える、ミスが出た“2つの原因”
二人はSPを振り返って、全体的に硬かったとコメントしたが、やはりオリンピックのプレッシャーだったのだろうか。
「理由はいくつかあると思います。もちろん、もっとも大切な試合ではあったと同時に、よくSPで勝つことはできないけれど負けることはできる、と言われます(SPの結果のみで優勝はできないが、SPで失敗すれば優勝は遠のく、の意味)。だからSPを滑る前には大きなプレッシャーを感じていたのでしょう。
またもう一つは、団体戦と個人戦ではまったく会場のエネルギーが違っていたということ。団体戦ではまるで家族に応援されているようなエネルギーがありました。でも個人戦ではもっと緊張感があった。とてもピリピリしていて、残念なことに多くの選手からそれを感じました。ですからそういうエネルギーとプレッシャー、そしてもちろん完璧に滑りたいという思いのコンビネーションだったと思います」
コーチは二人を、こんな言葉で励ました
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「でも実は8年前、(平昌五輪で)ブルーノ・マッソとアリョーナ(・サフチェンコ)のペアが、やはりSPで7ポイント出遅れて、そこから挽回して優勝したんです。8年前の結果を検索してリクとリュウイチに見せて、以前にも成し遂げたペアがいたのだから、我々にもできる、と言いました」
彼が言うのは、2018年平昌オリンピックで優勝したドイツのペア、アリョーナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソのことだ。SPでは正確に言うと1位と5.8ポイント差で、4位だった。フリーでの彼女たちの逆転劇は、未だに語り草になっている。だが木原選手の気持ちは、なかなか上向きにならなかったという。
「リュウイチはリクを落とさなかった」
「彼にとって、いったん感情を出しきることが大事だったのだろうと思います。たとえ痛みであってもそれを共有することから、癒しのプロセスが始まるのです。回復には時間が必要で、少しずつ彼の気持ちが立ち直っていくことはわかっていました。大丈夫だろうと思っていたけれど、彼が自分を責めてネガティブな感情にエネルギーを吸い取られてしまうことは、ちょっと恐れていました。でも彼は、きちんと時間までに自分を取り戻したのです」
リフトで絶対に落とさないと常々三浦選手に約束していた木原選手にとって、このミスは他のミスとは違って、精神的なダメージが大きいように見えた。
「それはあったと思います。でも実際、リュウイチはリクを落としはしませんでした。ペアの男子にとって、リフトをミスするということはプライドにかかわることです。上手く説明できませんが、とても個人的に感じることなんです」

