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「GPファイナルに行って、世界選手権の出場権も…」世界ジュニア連覇の中田璃士が誓うシニアデビューでの飛躍「4回転アクセルを跳ぶ!」《独占インタビュー》

posted2026/06/05 17:00

 
「GPファイナルに行って、世界選手権の出場権も…」世界ジュニア連覇の中田璃士が誓うシニアデビューでの飛躍「4回転アクセルを跳ぶ!」《独占インタビュー》<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

世界ジュニアフィギュアスケート選手権で、日本男子初となる連覇を達成した中田璃士

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph by

Yuki Suenaga

 今年3月の世界ジュニアフィギュアスケート選手権で、日本男子初となる連覇を達成した中田璃士選手。ショートで記録した89.51点はジュニアの歴代最高得点を塗り替え、歴史的な勝利となりました。
 NumberPREMIERの動画インタビュー前編では、草原を駆ける獅子のように王者として滑り抜いたジュニア時代を振り返ってくれました。中編では英語力を生かしたスケートへの取り組み、ミラノ・コルティナ五輪を現地観戦したことで得た経験。さらに後編ではシニアへと参戦する来季に向けて、新しいプログラムやジャンプ構成、練習中の4回転ジャンプへの構想をじっくり語ってくれました。

世界ジュニア選手権を連覇できた理由とは

「去年も緊張はたくさんしましたが、去年は挑戦者としてその地位を奪いに行く感じでした。今回は1位を守るという違うプレッシャーもあり、また2連覇という挑戦でもあったので、緊張感は強かったです」

 そこから強いメンタルへと切り替えられたのは、前夜に振付師のミーシャ・ジーから送られた言葉がきっかけだった。

「ショートの前日、緊張しすぎて『怖い』という気持ちになっていました。そんな時にミーシャさんから連絡がきて、その時に感じていたことを全部言って。僕はノーミスを狙っていたのですが、ミーシャさんから『1つ1つの出来を良くすることに集中して』と言われて、切り替えることができました」

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 アドバイス通り、1つ1つの技に集中したショートはパーフェクト演技。さらにフリーに向けてはジャンプ構成を熟考した。昨年12月のジュニアGPファイナルでは4回転3本を跳んだものの、後半にスタミナが切れて、悔しい2位。その経験を生かし、戦略的に4回転は2本にした。

「勝ちにこだわるためには、跳びすぎる必要はないと判断しました。連覇するか、2位になるかでは、天と地ほどの差がある。何が正解かを考え、2本でまとめることにしまた」

 その作戦通り、フリーではクオリティの高い4回転サルコウと4回転トウループを成功。後半もペースが落ちることなく、パーフェクトの演技で優勝をもぎ取った。

「ジャンプ4発目くらいまでは油断できないと思っていました。後半は疲れて失敗しやすいので、ずっと『パンクしない、パンクしない』と言いながら跳び続けました」

 そしてジュニア時代を振り返り、こう語る。

「悔しい思いをして、そのあと結果を残す、ということをたくさんしました。でも毎シーズン最後は良い終わり方ができましたし、歳を重ねていくにつれて平均の点数も伸びていきました。そこは成長したところだと思います」

英語力を生かした海外戦略、五輪は現地観戦

 また、イギリス人の母を持つ彼は、自宅では英語で会話するバイリンガルでもある。

「英語を喋れなかったら、海外の選手と交流できないので、英語ができて良かったなと思います」

 中田は、はっきりと英語力の必要性を語る。練習拠点である三井不動産アイスパーク船橋には、海外選手も練習に来ており、彼らとは英語で冗談を言いあいながら練習に励む。海外の練習拠点や国際大会に行けば、他国のトップ選手と友人になり、さらにはインターネット上でも国境を越えて交流を深めている。

「(イリア・)マリニン選手からは、世界ジュニアが終わった時に『おめでとう』ってメッセージが来て嬉しかったです」

 そんな彼は、ミラノ・コルティナ五輪の男子シングル競技を現地観戦。カザフスタンのミハイル・シャイドロフが優勝し、金メダル筆頭候補だったマリニンは8位。鍵山優真と佐藤駿は2人で表彰台に上がるというドラマを目の前で見ることで、4年後の五輪出場に向けて、その空気感を肌で感じた。

「男子のフリーは、誰も予想していなかったと思います。オリンピックは何があるかわからないということを、現地で体感できたのは強かったと思います。自分はしっかりこの4年間で自信をつけて、オリンピックに出た時に、魔物というものを皆さんに見せるのではなく、撃退するという感じです」

 五輪の激戦を目撃し、モチベーションを高めた中田。帰国直後には、練習で4回転フリップを成功。さらに世界ジュニア選手権をはさみ、4回転ルッツも成功させた。

「4回転ルッツとフリップを両方跳べる選手は、日本でもたくさんいないので、それがあると大きな事だと思います。あとは4回転アクセルかな!」

 4回転5種類を成功させ、次なる意欲は4回転アクセルへ。溢れる探究心で、来季のシニアデビューを目指す。

来季シニアに向けて「4回転アクセルを跳ぶ!」

「来季のフリーは『グラディエーター』を継続です。ショートは新プログラムをもう作り終わりました」

 フリーはジャンプ構成をよりレベルアップさせ、シニアでの戦いに備える。ショートの新プログラムは、「宇野昌磨さんの『グレート・スピリット』っぽい感じ」と中田。ノリが良く力強さのある曲で、観客を巻き込んでいくという。

 フリーに向けては、4回転フリップとルッツを習得しただけでなく、さまざまなジャンプ構成に挑戦している。インタビューの日にも、「3回転フリップ+2回転ループ」「4回転サルコウ+トリプルアクセル」「4回転トウループ+オイラー+3回転フリップ」など、新たな組み合わせの連続ジャンプをカメラの前で披露した。

 シニア参戦に向け、ジャンプ、スケーティングなど多方面でブラッシュアップを図る中田。来季の目標をこう語った。

「まずはGPシリーズ2戦で良い結果を残し、GPファイナルに行って、世界選手権の出場権も取って。あとは四大陸選手権で1位をとることです。シニアのトップ選手と対戦できるのは、楽しみですし、早く戦いたいです。あとは4回転アクセルですね。この(オフの)数カ月で降ります!」

 動画インタビューの短縮版はYouTubeの「Number」チャンネルで公開中だ。

 インタビュー動画完全版では以下のトピックについても話をしてもらっている。

  • ●関東組の男子3人、西野太翔、蛯原大弥と一緒の世界ジュニア
  • ●連覇をできる人のメンタルとは……
  • ●4回転トウループは「6分間では降りてないが、跳べると分かっていた」
  • ●ミラノ・コルティナ五輪の男子ショートは「皆さん、完成度が凄い」
  • ●金メダルのシャイドロフは「軽い4回転フリップに驚き」
  • ●4回転フリップとルッツ成功で「トウループとサルコウの難易度は下がる」
  • ●佐藤駿選手も4回転アクセル宣言「ついに4回転アクセルの時代が来る」
  • ●フリー「グラディエーター」は、りくりゅうと同じ曲で「光栄」
  • ●来季のジャンプ構成は「4回転5本も視野」
  • ●イリア・マリニンに勝つためには……
  • ●小塚崇彦さんの指導でスケーティングも強化
  • ●五輪を見て、シニアでの自分の戦いをイメージ

 来季からのシニア参戦に向けて、意欲に満ち溢れた合計約42分のインタビュー。新たなステージでの活躍に期待したい。

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