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「ダルビッシュ有が10分間マンツーマン指導…広島カープ“無名23歳ピッチャー”は誰?」39歳臨時コーチが自ら話しかけた…現場記者が見た「理想の上司像」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/27 11:01
侍ジャパンの宮崎合宿にアドバイザーとして参加したダルビッシュ有(39歳)
「特にピッチャーは自分の軸をしっかりと持っていて、深いところまで研究するのが好きなタイプもいれば、他の部分を優先するタイプもいる。ダルビッシュは、それを理解したうえで、色々な引き出しからあらゆることに対応できるだけの経験と知識がある。タイプによって、その選手が欲しいものを一番分かりやすい伝え方で提供できるんです。
それがなぜできるのかというと、普段からずっと相手を観察して、その選手がどんなタイプで何を大切にしているのか、どうしたらもっと良くなるかを考えているんじゃないかな。かといって、自分の考えを押し付けるということは絶対にしない。選手からすれば本当に聞きたいことを聞きやすい相手なのだと思います」
今年40歳を迎えるダルビッシュは、今の代表メンバーからは遠く感じるはずの「昭和世代」の一員だ。いわゆる“昭和的”な慣習や精神論を浴びて育ちながらも、その中で自ら新しい知識を探求し、道を切り拓いてきた。
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「雰囲気は変わりましたよね。もともと持っている力はもちろん一流でしたけどね」と話すのは、ダルビッシュが2005年に東北高校から日本ハムに入団したとき、主力野手だった金子誠ヘッドコーチ。若き日には、マイペースを貫くやんちゃな姿も見てきただけに、感慨はひとしおだ。
「(日本ハムの)アリゾナキャンプで挨拶にきてくれるたびに、『ああ、時って人をこんなに変えるものなんだ』と思っていましたよ。オーラがあって、選手も話を聞きたいでしょ。そりゃ我々が話すよりよっぽどみんな聞く耳を持つからね(笑)」
「どんな選手でも否定しない」
昨年オフに右肘を手術し、現役選手としてリハビリと並行しながらアドバイザーとして合宿に参加する。本人は自身のキャリアの今後について明言はしていないが、そう長くはない現役生活の先には、日米野球界から指導者として熱望される未来も見える。
ダルビッシュと同じ2005年ドラフトでプロ入りした侍ジャパンの能見篤史投手コーチ(46歳)はこう話す。


