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侍ジャパンが西武に緊急連絡「投手をもう1人出して…」“無名の19歳投手”が先発のウラで…井端ジャパンの異変「じつは複数のクローザー候補に断られていた」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/25 17:24
2月23日、侍ジャパンの壮行試合ソフトバンク戦。先発した西武・篠原響、昨年プロデビューしたばかりの19歳
「篠原は若いですけどこれからライオンズを担っていくピッチャーだと思う。ああやっていいピッチングをして繋いでもらったので僕もいいピッチングができました。第2先発は準備を怠らず、最初のイニングから集中していくことが大事。いい経験になったと思います」
思わぬ“継投”でシミュレーションを無事済ませた隅田は満足顔だった。
「複数のクローザー候補に断られた」
しかし、この19歳の緊急先発の陰には、侍ジャパンのリリーフ陣の苦しい台所事情がある。そもそもなぜ、「投げられる投手がいない」という想定外の事態になったのか。
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発端は、「勝利の方程式」の要として期待されていた西武・平良海馬投手と阪神・石井大智投手が、宮崎合宿直前に相次いで脚を怪我して出場できなくなったことだ。二人の代役として、水面下ではクローザー経験のある複数の投手が候補に挙がったが、いずれもコンディション不良を理由に出場辞退。結局、楽天・藤平尚真投手と隅田が追加招集されて急きょ戦列に加わった。
さらに合宿に入ってからは、ロッテ・種市篤暉投手が下半身のコンディション不良のため、宮崎での実戦登板を回避することになった。加えて名古屋から合流予定だったパドレス・松井裕樹投手も海の向こうのライブBPで左脚を負傷。呪われているかのような投手陣の負傷ドミノに、これ以上の離脱者は絶対に出せないという事情からクローザーを担う巨人・大勢投手もソフトバンク戦の登板を見合わせることが決まった。こうして、当初第2戦の先発予定だった糸川を第1戦の中継ぎに組み込まざるを得なくなり、急きょ篠原が招集されることになった。
侍ジャパンは24日に宮崎合宿を打ち上げ、名古屋、大阪でそれぞれ2試合の壮行試合を戦い、いよいよ本番モードに突入する。ドジャースの“世界一メンバー”である大谷翔平選手や山本由伸選手も合流してチームとしての結束も高まっていくが、その中で唯一、懸案事項として燻っているのがこのリリーフ陣の非常事態である。
クローザーとして国際舞台の経験があるのは、大勢のみ。しかし当初から井端弘和監督は「大勢は、連投、連投と来ている時はちょっと球速や制球が落ちてくる。間隔が空くほうがいい状態で投げられるのかなと思います」と話しており、一人に負担がかかる状況は避けたいところだ。
試合終盤のリリーフ陣のカギになるのは3人。ソフトバンクのリリーバーで3年連続50試合以上登板している松本裕樹投手、2024年11月の「プレミア12」でチーム最多の6試合に登板し、防御率0.00で終えた楽天の藤平。“飛び道具”としては、日本ハムでルーキーイヤーの2022年に中継ぎで54試合に登板し、クローザーを務めた経験もある北山亘基投手の起用法にも注目が集まる。
「あと4試合。その間にピッチャーもバッターも最後の仕上げをして、本番に臨めればいいと思います」と話した井端監督。負傷ドミノの連鎖を断ちきり、苦境を力に変えていくことができるか。

