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千葉百音に寄り添い、坂本花織を守った“苦労人スケーター”の素顔「愛称はマミー」「家族みたい」アンバー・グレン26歳を日本選手も米国若手も慕う理由
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph bySunao Noto/JMPA
posted2026/02/25 11:03
4位となり涙を流す千葉百音に寄り添ったアンバー・グレン(米国)
「自分を誇りに思っています」
初めてのオリンピック出場となった今大会。開幕を前にした2月4日、記者会見に出席。トランプ政権下でLGBTQIA+コミュニティが厳しい時代に直面しているとし、「私たちの生活にかかわることだから、ただ黙っているわけにはいきません。もちろん(政権に)同意できないこともあるけれど、私たちはコミュニティとして強く、互いを支え合っています。明るい未来は必ずやってくると信じています」
その後、「恐ろしいほどの憎悪や脅迫を受けています」と明かしたグレンは、団体戦フリーに出場したがジャンプが乱れるなど本来の滑りはできず、落胆の表情を浮かべた。
迎えた個人戦。ショートプログラムでもジャンプにミスがあって13位にとどまり、試合後の取材を受けられなかったように、ショックは隠せなかった。
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だがフリーではトリプルアクセルを鮮やかに決めるなど巻き返し、5位入賞。
「この位置にいるなんて思ってもいませんでした。自分を誇りに思っています」
年齢を重ねてからの高難度ジャンプへの挑戦とその習得。10代のときはグランプリシリーズの下のカテゴリーでも国際大会の優勝はなかったところからたどり着いた大舞台。「もっとできる」の信念と自分の可能性を信じて開花した経歴。
日本の選手にもあたたかな気遣いをみせたスケーターは、たしかな足跡を残し、笑顔とともに大会を終えた。

