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「ベンチプレスは100kg超」「部員数が80人に激増」《偏差値68》スポ薦ゼロの国立大チアリーディング部「最強の素人集団」を日本一に導いた“3つの独自戦略”
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph by東京外国語大学チアリーディング部RAMS提供
posted2026/02/24 11:01
2023年、2024年とチアリーディングの全日本インカレで連覇を果たした東京外国語大学。スポーツ推薦なしの国立大の躍進の理由は?
そんな「三本の矢」を旗頭に改革を行った結果、2年後の2018年には数年前まで十数人しかいなかった部員の数は、実に60人を超えた。
2018年に副将を務めた中條小夢は、当時の部の状態をこう振り返る。
「この頃は全日本選手権や全日本インカレでも決勝進出が夢ではなくて現実的な目標に代わってきていたと思います。あとは具体的にどうすればその舞台に立てるのか。
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強豪大学の映像をひたすら見て、自分たちと何が違うのか、どこで点差がついているのかを分析して、足りない点数をどう補うかを考えたりもしました。もちろん身体能力的に私学に敵わないところもある。そういう場合は挑戦してみてできなければガラッと構成を変える……みたいなことも多かったです」
「脚力の差が大きい」…練習後に走り込みも?
また、基礎トレーニングの面でも「強豪チームと比べると、とにかく脚力の差が大きいと思って」(中條)陸上部顔負けの走り込みも行ったという。週3日ほどトレーニングの練習終わりに6km程度のランニング∔スプリントのダッシュで下半身強化に力を入れた。
当時、中條たちが掲げたチームスローガンは「最強の素人集団」というものだった。
「強豪私立に合同練習に行ったときに、環境の差に驚かされて。向こうは何面もマットを敷ける体育館があって、部専用の食堂まである。空調も完備で、選手もスポーツ推薦のアスリートぞろい。
こっちは狭い体育館で、マットは1面しかしけないし、空調もないから夏は暑いし、冬は寒い(笑)。そもそもスポーツ経験もない素人選手ばかりですし、私自身も高校時代は茶道部でした。でもそういう小規模な国立大という環境だからこそ、自分たちが全国で結果を残せればカッコいいとも思えました。“番狂わせ”に向けて、みんなで面白がって頑張れたのかなと思います」
こうして迎えた2018年夏の全日本選手権――東外大は国立大で唯一、決勝の舞台まで駒を進めた。
その後の冬の全日本インカレに向けても、中條曰く「全日本選手権がフロックだと思われたくなくて」、必死でトレーニングを積み、再び決勝の舞台に返り咲いた。
そして、そんな結果を自信として、部は更なる進化を遂げていくことになる。
<次回へつづく>

