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実は4回転アクセル失敗よりも…「マリニンの顔色が変わった」あるジャンプとは? 本田武史が見た王者失速の要因「あそこから焦りに追い込まれた」 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2026/02/17 11:02

実は4回転アクセル失敗よりも…「マリニンの顔色が変わった」あるジャンプとは? 本田武史が見た王者失速の要因「あそこから焦りに追い込まれた」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

絶対王者マリニンはなぜフリーで大失速したのか。NHK解説者本田武史氏が、競技者ならではの目線からマリニンが踏みとどまれなかった「あるポイント」を読み解いた

 しかし、フリーでは冒頭に4.71もの加点を引き出した4回転フリップで完璧に着氷したものの、直後の4回転半が1回転半に。3本目の4回転ルッツこそ着氷したが、その後は4回転ループが2回転になるなどジャンプでミスが続く。最後のサルコウでも転倒し、スピンやステップでもとりこぼしが目立った。演技終了後、当の本人も頭を抱えるほどだった。

マリニンの顔色が変わったジャンプ

 実は4回転を予定していた4本目のループが2回転になったとき、マリニンにちょっとした変化があったという。本田さんは見逃さなかった。

「4回転半の失敗はあるかもしれないと予想していましたが、3本目の4回転ルッツはきれいに決めていたので立て直せると思っていました。ただ、4本目のループで失敗したときにマリニンの顔色がガラッと変わったんです。

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 その後のステップは後半の4回転ルッツのことを考えながら滑っているようにも見えましたし、いつもに比べると呼吸も荒かった。ループの失敗以降は完全にペースを乱していて、ルッツでも転倒、サルコウも2回転になり、しかも転倒。焦るしかない状態に追い込まれていました」

「あんな姿は見たことがない」と本田さんも驚くほどの大崩れ。オリンピックという舞台での個人戦の金メダル争いには「大きなプレッシャーもあったはずです」。

 団体戦のSPでもジャンプや動きに少し硬さが見られ、“4回転の神”らしい勢いが影を潜めていた印象もある。五輪前の約2年間は負けなしと無敵状態だったが、そんな彼もオリンピック特有の雰囲気や緊張感には勝てなかったというわけなのだろうか。

【次ページ】 団体戦2本出場は予想外だったのでは

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