2025年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「77%オフ、5000円の柄シャツでM-1優勝」王者たくろうが明かす、“商店街セールで買った”衣装の話「相方の誕生日プレゼントで…10年ずっと着てます」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2026/02/11 11:04
結成10年、初のM-1決勝で優勝したたくろう。赤木裕(ネタ作り担当、主にボケ担当、34歳)ときむらバンド(主にツッコミ担当、36歳、写真右)
赤木 会場の空気がものすごくあったかかった気がしますね。ああいう空気だと、ものすごくウケやすい気がします。ヤーレンズさんだったかな、例年よりあたたかかったって言ってましたよ。
きむら トップのヤーレンズさんが盛り上げてくれたからな。トップって、どんな感じになるんやろと思って見ていたら、ものすごくウケてたじゃないですか。すげぇっ! って感じでしたね。あれで、ウケやすい環境になったと思いますよ。
――そんな中、4番手のエバースが2024年に審査員が9人制になってからの最高得点となる870点を叩き出し、一気にトップに立ちました。
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きむら あ、エバースが優勝だなと思いました。お陰で、緊張しなくなりましたね。開き直れるくらいすごいネタだったんで。ニンが出ているし、爆発力があるし、芸術性すらある。
赤木 僕らじゃ勝ち目ないわなと、ちょっと思いましたね。もう、やれることやろうという感じで。
心電図の音が「ピーッ」ってなった
――エバースのあと、真空ジェシカ、ヨネダ2000と続き、7番目、ようやくたくろうの名前が呼ばれました。映像を見返すと「よしっ!」という感じで出て行ったように見えたのですが。
きむら 順番に関しては、僕ら運を持っていましたね。いつ順番が回ってくるか分からないのって、集中力を保つのがけっこう大変で。ヨネダ2000が終わったあたりで赤木が「次、呼ばれなかったら、集中力が切れてしまうかもしれません……」って言うから、「ヤバいな」って返した瞬間に呼ばれたんで。「やったやん!」っていう感じだったんです。
赤木 笑神籤が振られるたびに「俺らか、俺らか」って緊張して、「ああ、違った」っていうのを5、6回も繰り返しているうちに「もうええわ!」ってなってきて。「なんやこのシステム、先決めといてくれよ」って、脳の変なところの血管が切れた感じがしたんです。心電図の音が「ピーッ」ってなったみたいな感覚があった。
――そんな精神状態で上がった初めてのM-1の決勝の舞台は、どんな感じでしたか。
きむら せり上がっていくときは想像よりも緊張していたんですけど、出て行くときはもう大丈夫でした。1本目にやった『リングアナ』というネタはこの1年、ほとんどスベったことがなかったので。
赤木 僕は集中力が切れかけていたのがよかったですね。もう頭がボーッとしていたんで。
(写真=山元茂樹)


