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《サッカーW杯秘話》鬼軍曹のブラジル監督が下した決断の真相…“重傷の怪物”ロナウドを招集し“絶好調の36歳レジェンド”ロマーリオを却下したワケ 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byHiroshi Okawara

posted2026/02/05 17:00

《サッカーW杯秘話》鬼軍曹のブラジル監督が下した決断の真相…“重傷の怪物”ロナウドを招集し“絶好調の36歳レジェンド”ロマーリオを却下したワケ<Number Web> photograph by Hiroshi Okawara

ロナウドは2度の右膝手術を乗り越え、W杯決勝のドイツ戦で2ゴールを決めるなど、大会8得点で得点王に輝いた

 ロナウドは、17歳で臨んだ'94年大会で優勝。'98年大会でもチームは決勝まで勝ち上がったが、フランスとの決勝戦当日の朝、原因不明のひきつけを起こし、試合で精彩を欠いた。エースに起きた想定外のアクシデントに選手たちは動揺し、0-3の完敗を喫していた。

 日韓W杯を前にしたスコラーリの決断とは裏腹に、ブラジル国内では強いロマーリオ待望論が起きていた。'94年大会優勝の立役者で、36歳ながら、全盛期さながらのプレーを続けていたからだ。

 しかし、スコラーリはロマーリオを頑として招集せず、国中から痛烈な批判を浴びた。彼はその理由を現在に至るまで明らかにしないが、「'01年のコパ・アメリカ(南米選手権)に招集した際、仮病を使って辞退したことが後に発覚。人間として信頼しなくなった」というのが定説だ。

反対意見を押し切った「3バック」の採用

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 戦術面でも、スコラーリは'02年に入ってから大きな決断をしている。

 1月末以降、フォーメーションを4バックから3バックへ変え、左右のウイングバックとボランチ2枚の7人で守り、攻撃時はロナウジーニョ、リバウド、ロナウドのアタッカー3人に左右のウイングバックを加えた5人で攻める戦術を採用した。

 ブラジル国内では3バックは守備的、というイメージが強い。'90年大会は3バックで敗退したこともあって反対意見が多かったが、スコラーリは自説を押し通した。

 ところが、大会直前になって別の問題が持ち上がった。4月、リバウドが右膝と足首を故障。クラブ(バルセロナ)の医療スタッフは「手術が必要。W杯出場は不可能」という見解だった。しかし、セレソンのドクターは「手術は不要。W杯に出場できる」と診断した。意見が真っ向から対立したが、セレソンが押し切った。

 スコラーリは、5月初めにW杯に出場する23選手を発表。スペインで事前合宿を張った。そして、マレーシアで時差調整を兼ねた強化試合を行なった後、26日にグループステージ(GS)を戦う韓国へ入った。

 一難去ってまた一難。トルコとのGS初戦を翌日に控えた6月2日、チームにまたも衝撃が走った。

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