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「5年契約が大きかった」鈴木誠也なぜメジャーで打てる? MLBカブスの日本人トレーナーが語る“中長期プラン”「2~3年で結果を出すことは簡単ではない」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byFumiya Nakata
posted2026/01/28 11:04
MLBシカゴ・カブスのトレーナーとして鈴木誠也を支える中田史弥氏(右)。昨季はポストシーズン進出に貢献した
「変わることを恐れない。良くても成長。もっと良く。結果は出ても『なんか違うんすよね』と変化し続けようとする。もちろん、すべてがうまくはいかないですけど、ここまでのキャリアを作ってきたのは彼のそうしたマインドセットがあったから。外的要因で結果が出てない場合もあるじゃないですか。取り組み自体は間違ってなくて、もう少し続ければいいのになあということでも『あ、ダメ。次』と、どんどん変えていく。殻を破ってより良いものを見つけていく探究心がすごいです。そういう作業に没頭できる才能もある。僕のような凡人が言うのもおこがましいですが、世界一を目指していくには自分で自分の想像を超えていかないといけない。僕はその意欲が彼の中に見えるんです。MLBのトップレベルの一線級選手とやりあう中で進化が遅れると、次から次へと新しい選手が出てきますから」
2025年9月25日の夜、球場から自宅に戻った中田のもとに一通のメッセージが届いた。送り主はこの日、39試合ぶりにホームランを放った鈴木だった。
「(スランプに)悩んでいる姿をずっと見てきましたから、結果が出たことは嬉しかった。寝る前には『今日は史弥さんにホームラン2本プレゼントできて良かったです』とLINEが届いて……なんだか感動しちゃいましたね」
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じつは、25日は中田の35歳の誕生日。トレーナー冥利に尽きる出来事だった。
「昨年の成績は自信になったと思います。(契約最終年となる)5年目となる2026年は次の契約を勝ち取るための集大成。今から楽しみです」
日本人の凄さをアメリカで示したい
18歳でトレーナーを志し、最先端の技術を求めて単身渡米した。狭き門をくぐり抜け、勝ち取った現在の地位を掴んだ。突き動かしてきた原動力は反骨心だ。
「山本由伸選手のように、過度なウェイトトレーニングをしなくてもあの出力で世界一のピッチャーになれる。アメリカ人がそれをどう理解するか、すごく楽しみなんです。日本人が日本人らしい身体の使い方で力を発揮していく。その凄さをしっかり見せつけないといけないという使命感があります。もちろんまったくウェイトトレーニングをしないわけではなく、良いところ取りで。日本人野手もこれからどんどんアメリカに行くと思うので、もう一度、日本人の凄さをアメリカで示したい。そういう気概でやっています」
世界と戦う日本人トレーナーの言葉には、確かな闘志が宿っている。〈全2回/前編とあわせて読む〉


