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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「自分たちは弱いことを感じましたか?」阪神・坂本誠志郎が問う”若虎への違和感”とは…「近本(光司)を超えようとする選手が出てこないと」
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/01/28 17:28
阪神の新主将となった坂本誠志郎捕手が、若虎たちに向けて“警鐘”を鳴らした
2歳上にあたる梅野隆太郎の背中を追い続け、プロ10年目の昨季ついに自身初のシーズン100試合出場(最終的に117試合出場)をクリア。現在のタイガース内では、厳しい競争を勝ち抜いた経験を持つ数少ない男の1人に違いない。
それだけに最近、若虎たちの間にどことなく漂う“諦めムード”にも近い雰囲気に物足りなさを感じるのだろう。
「レギュラーメンバーの力を超えないと試合に出られないのに、本当に超えようという気があるのかな、と。たとえば大山は若い頃、外国人選手との競争が続く中で使ってもらえない経験をしています。だから今でもずっと『試合に出られなくなるかも』という危機感を持ち続けています。僕自身、梅野さんを抜かさないと試合に出られないと思って、ずっと剣を研いできました。でも今のタイガースの若い選手たちは、あがきにあがいてレギュラーの座を奪う選手の姿をあまり知らない。だから追い越し方が分からないのかもしれません」
チームリーダーとして若虎たちに発奮を
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阪神は昨秋の日本シリーズでソフトバンクに敗れた。正捕手としてホークス打線と対峙し続けた坂本は終戦直後、「大きな差を感じました」と完敗を認めた。
大きな差。
選手個々の圧倒的な能力、パ・リーグの枠を超えて日本一に照準を合わせる考え方。そして、選手層の分厚さに差があった事実も否めない。
だからこそチームリーダーは今、若虎たちに強く発奮を促すのである。
「ソフトバンクでは山川穂高さんも調子が上がらなければ、普通にベンチスタートとなる。中村晃さんや今宮健太さんのような実力者でも試合に出られないことがある。昨年11月に侍ジャパンで一緒にやらせてもらって改めて驚きましたけれど、あれだけ能力がある野村勇くんでも試合に出られなくなる状況がある。日本シリーズが終わったあと、牧原大成さんが言っていました。『勇が頑張っているから、僕らもずっと試合に出られる安心感を持つことができず、やらないといけないという感覚を持ち続けられている』と。タイガースもそんな雰囲気をつくっていかないといけないと感じています」
近本を超えようとする選手が出てこないと…
思い返せば、2021年春の沖縄・宜野座キャンプ最終日、当時選手会長だった近本が「チームは今年から黄金期に入ります」と宣言していた。実際、タイガースは同年からの5年間で2度のリーグ制覇を果たしている。
ただ、猛虎の頭脳は黄金期を一過性で終わらせるつもりなど、さらさらない。

