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6年前のドラフト1位「最速161km右腕」は今…オリックス山下舜平大が明かす“復活までの苦悩”「あの助言で158キロが出た」今井達也から一本の連絡
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/22 11:06
プロ6年目を迎えるオリックス山下舜平大。新たな日本球界の顔になれるか
「もう今シーズンの一軍復帰は無理かなって考え始めてたんです。そんな時、今井さんが僕のファームで投げている動画を見て、連絡をくれたんです。『とりあえず(投手プレートの)三塁側から投げてみろ』って。そこから引っ掛けるように投げてみろと。登板の2日前だったんですが、試合前のブルペンで試してみたら感触が良かった。指にボールが掛かっている感じがすごく良くて。で、その試合で158キロが出たんですよ」
8月30日の中日戦(ほっともっと神戸)は6回2安打7三振1失点、なにより与四球0(与死球は1つ)が光った。
「それですぐに一軍に呼んでもらえたんです」
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9月7日の日本ハム戦(京セラドーム)でシーズン初登板を果たすと5回11三振(2失点)と圧巻のピッチング。続く同18日の西武戦(ベルーナドーム)では今井と投げ合い、7回2/3を1失点とほぼ互角に渡り合った。そして同27日の楽天戦(京セラドーム)は7回11三振無失点で白星。昨季は4試合登板にとどまったが防御率1.25の安定感に加え、奪三振率12.88、与四球率2.91と高水準の成績を残してみせた。
生で見て驚いた…山下の投球
とはいえ、先ほど述べたように昨季の山下はあくまで改善の途中段階だ。
年が明けて鴻江キャンプに合流して最初のピッチングを見た時には、かなり“あし体”の名残を感じるフォームで投げていた。
しかし、鴻江がまず立ち方のアドバイスを送る。一気にすべてを伝えるのではなくピンポイントで1カ所ずつ修正をかけていく。最初はうで体フォームの入口を教えたにすぎないはずだった。
だがそれでも、山下のフォームは立ち方を変えただけで明らかに変わった。見ているこちらがアッと驚くほどだった。背中側にあった力が腹筋側に変わり、捕手方向への並進移動も見られるようになった。
「投げてて思ったんです。僕、もともとはこうやって投げていたなって」
山下はプロ6年目のシーズンを迎える前にして、自分を知り、自分の進むべき道を見つけたようだ。今井が海を渡った今、新たな日本球界の顔へ。2026年は山下舜平大にとって分岐点となる1年になりそうだ。
〈第1回、第2回も記事公開中/今井達也が明かすアストロズ電撃移籍ウラ側へ〉

