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6年前のドラフト1位「最速161km右腕」は今…オリックス山下舜平大が明かす“復活までの苦悩”「あの助言で158キロが出た」今井達也から一本の連絡
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/22 11:06
プロ6年目を迎えるオリックス山下舜平大。新たな日本球界の顔になれるか
身長190cmの体躯を誇る大型右腕は、2020年ドラフト1位でオリックスに入団。高卒3年目にして開幕投手という大役を務めている。それがプロデビュー戦という異例の大抜擢だった。その2023年シーズンは16登板すべてに先発して9勝3敗、防御率1.61の成績を挙げている。
だが、翌2024年は3勝6敗に終わると、昨季はキャンプ中から腰のコンディション不良があり長期離脱を余儀なくされた。
「去年のシーズン前半はずっとリハビリ。最初はやれることも限られるから時間を持て余して、YouTubeとかで野球の動画を見ることが多かったんです。ある日、鴻江理論の『うで体』か『あし体』か、セルフチェックできる動画が出てきて。それを実際やってみたら、僕は『うで体』の方に当てはまったんです」
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前述のオリックストレーナーに相談した。
「ちょっと待って、となって、その後鴻江先生と会う機会をつくってもらったんです」
直接チェックしてもらっても、やはりうで体で間違いないようだった。また鴻江の理論によれば、あし体の方がうで体の人に比べて腰を痛めやすいのだという。
「僕は本来うで体だったのに、あし体の投球フォームで投げていた。だから腰を痛めたし、そもそも自分に合わない動きだったから故障した。それが理由だったんだな、と分かりました」
鴻江の教えと今井の助言…158キロが出た日
うで体の右投手に合った体の使い方をひと通り教わった。体の軸になる部分、背筋に頼るのではなくお腹側で懐を作る、沈み込みが大切、左目で捕手を見る……など。
「その話を聞かせてもらったのが実戦復帰の1カ月前くらいでした。復帰したのが7月。その頃はソフトバンク、日本ハムと三つ巴で首位争いをしていました。その後離されてしまいましたが、Aクラス争いもありました。自分が一軍に復帰する頃もシビアな展開だろうと考えると、大きくフォームに手を加えることはできませんでした」
二軍公式戦での調整登板。150キロ台中盤のストレートは計測されるが、何か物足りない。なにより制球が定まらない。最初の試合が1回2安打1四球1失点。その後は段階を踏んで登板を重ね、8月23日のソフトバンク戦(ほっともっと神戸)では5回無安打無失点という結果を残すが、四球を5つも与えた。どこか歯車が嚙み合わなかった。

