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今井達也を激変させた“重要人物”…アストロズと電撃合意から10日後、なぜ今井は福岡を訪れたのか? プロ野球選手もゴルファーも集結“ある合宿”に密着
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byGetty Images
posted2026/01/22 11:05
今季からアストロズでプレーする今井達也。現地1月1日(日本時間2日)に契約合意が発表された
自身のピッチングを探して試行錯誤を繰り返した。
「誰かのマネをすれば、自分にハマるものが見つかるのではないか」
そう考えた結果、好投手のフォームをコピーし続けた。プロ入り当初は岸孝之(楽天)に似せていたが、その後はダルビッシュ有(パドレス)、そして千賀滉大(メッツ)と移り変わっていく。モノマネはどれも完成度が非常に高かった。今井の観察眼や理解力、体で表現する能力が相当優れている証である。また、かなり器用なのだろう。
今井との初対面…鴻江の印象
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だがしかし、成績向上には結びつかなかった。フォームを変えた直後は良くなった気がした。実際に好投もするが、それが長続きしない。2021年までのプロ5年間は通算23勝26敗。貯金を作れたシーズンは1度もなく、2021年はリーグワーストの99四球を与えていた。
かくして迎えた2022年。
開幕ローテーション入りが内定していたものの、右内転筋の張りでオープン戦最終登板を回避。開幕には間に合わず4月8日の二軍戦で実戦復帰を果たすも、続く同19日の二軍戦で左足首を捻挫し、再び長期離脱となった。
鴻江と出会ったのはその最中だった。橋渡し役となったのは西武のファームスタッフだった荒川雄太だ。荒川はソフトバンクでの現役時代、鴻江塾の門下生だった。
鴻江も、今井と初めて会った時のことはよく憶えている。
「体のタイプをチェックするために肩甲骨を触ったんです。抽象的な表現になりますが、体の奥にとんでもないマグマが潜んでいる。とてつもないエネルギーが眠っていると感じました」
今井は、鴻江理論に当てはめれば「あし体」タイプだ。
日本ではピッチングを教わるとき「軸にためて」とか「横の時間(並進移動)を大事に」という言葉をよく耳にするだろう。鴻江理論によるとこの投げ方が当てはまるのは「うで体」だという。これは日本人の場合、うで体の比率の方が高いためそれが基準になりがちなのだという。
「あし体の今井投手はコンパクトに切れよく、小さな動きの中で大きな力を生むタイプ」(鴻江)
あし体は左半身の方が強いため、右投手の軸足と呼ばれる右半身に力を溜めない。また背中の力を効率よく使うために、並進するのではなく縦長の筒の中でくるりと回る様な感覚で投げに行く。

