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今井達也の電撃移籍「じつは12月末までオファーの話なかった」期限直前にアストロズ入団が決まるまで…本人が明かすウラ側「行きの飛行機でも不安だった」
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byGetty Images
posted2026/01/22 11:04
今季からアストロズでプレーする今井達也。現地1月1日(日本時間2日)に契約合意が発表された
「自分の中でも期待じゃないけど、名前を挙げてもらえるのはありがたいなと思いました。だけど、実際は12月末に渡米した段階でも具体的なオファーの話はもらっていなかったので、少し不安はありました。行きの飛行機では夢舞台に向かっていくワクワク感という感じじゃなかったですね」
アストロズと契約合意したことが明らかになったのは現地の元日(日本時間2日)。45日間の交渉期限が米東部時間の1月2日午後5時(同3日午前7時)に迫る中での電撃合意だった。現地メディアでは3年5400万ドル(約85億円)、出来高に加え、オプトアウト(契約破棄)権がつくという契約だった。
「元々あまり話に挙がっていなかった球団だったので、ちょっと驚きました。そこからは本当にバタバタで。正直、いつヒューストン行きの飛行機に乗ったのか、ヒューストンに着いてからどこに行って何をしたのか、記憶が混同している部分もあるんですよね」
今季から住む…ヒューストンの印象
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アストロズの入団会見を翌日に控えた現地4日にはNFLヒューストン・テキサンズの試合を観戦。スタンドでファンの声援に応えて、両手を高々と上げて人差し指と小指を立ててヒューストンの「H」をつくるポーズを決めて拍手喝采を浴びたという。同行した代理人の提案だったそうで、日本のメディアでも大きく取り扱われたシーンだ。
しかし、今井は「アメフト行きましたね。バスケも。どっちが先でしたっけ?」と言い、このコラム用にヒューストンポーズを要求しても「みんな好きですよね、これ」と笑って、周りの反響の大きさに気づいていない様子だった。
「でも、本当にいい街でした。すごく歓迎してもらえているのも分かったし」
NBAのヒューストンロケッツ対フェニックスサンズは、入団会見にも伴った妻とさらにアストロズのオーナー夫妻とともにコート最前列の特等席で観戦。アリーナのジャンボトロンで映し出されると、本拠地ファンはスタンディングオベーションで歓迎の意を表した。そしてこの試合は、同点で迎えた第4クォーター残り1.1秒で、今井の席のすぐ目の前から放たれたロケッツの3ポイントシュートが決まる劇的な勝利に。その瞬間は今井も立ち上がり、両手を突き上げて大喜びしていた。
「そういえば、アストロズでの背番号は45なんですが、ヒューストンには『I-45』という主要道路があるらしいですよ」
ヒューストンとダラスを結ぶ州間高速道路45号線(Interstate45)の略称だという。今井とアストロズは、最初から不可思議な縁でつながっていたのかもしれない。
ところで、今井が多忙の合間を縫って訪れた“先生” 鴻江寿治氏とは何者なのか。
〈つづく〉


