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「起こることすべてに意味がある」河村勇輝24歳“血栓発覚から3カ月”…復帰戦でHC賞賛「ユウキには超能力がある」NBAブルズ解雇→再契約
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byKiyoshi Mio
posted2026/01/20 11:02
98日ぶりにコートに戻ってきた河村勇輝(24歳)。短い時間ながら存在感を発揮した
コートに入るとすぐ、ビハインドザバックでゴール下へのノールックパスという、まさに彼の真骨頂と言えるパスで味方の得点をアシストし、会場を沸かせた。
ウィンディシティ・ブルズのヘッドコーチで、サマーリーグでもヘッドコーチだったビリー・ドノバン三世は、試合前に河村のプレーについて語ったとき、『スーパーパワー(超能力)』という言葉を使って描写した。
「ユウキは人としてもすばらしく、正しい方法でプレーするから、みんな彼といっしょにプレーするのが大好きなんだ。それに、彼は他の選手の能力を引き出す、よりいいプレーをさせることに誇りを持っているしね。それが彼のスーパーパワー(超能力)だ。それこそが、彼がNBAでプレーする機会を得た理由なんだ」
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復帰戦で見せたのも、まさにそんな超能力シュートだった。
その後も、各クオーターの終盤に数分ずつ出場すると、そのたびにバックコートからのロングパスや、ピックアンドロールからアシストを出して試合をコントロールした。15分49秒の出場時間で、記録上は7本(実際には公式記録で漏れていた分を加えて8本)のアシストを出して、復活を印象付けた。
どんな時も自分に厳しい河村
それでも試合後の表情は、すべてに満足した満面の笑みではなかった。むしろ、悔しそうな顔すら見せていた。
多くのアシストを出した一方で、味方とのタイミングが合わなかったり、狙っていたパスコースを相手に読まれて犯したターンオーバーが4本あった。さらに打ったシュートを3本すべて外し、フィールドゴール成功はなく、得点はフリースローの2点だけだったことを反省していた。「内容に関しては(100点満点中)20点ぐらい」と厳しい自己評価も飛び出した。
試合後、河村は、この試合の応援にかけつけた男子日本代表ヘッドコーチで、サンディエゴ在住のトム・ホーバスや、元男子代表アソシエイトヘッドコーチ(現女子代表ヘッドコーチ)のコーリー・ゲインズらに挨拶していたのだが、その会話の中でもシュートを決められなかったことを悔しがり、反省していた。
代表活動の中で、ホーバスHCから司令塔といえどもシュートを打ち、得点を決めに行かなくてはいけないと教え込まれたことが頭にあったのかもしれない。しかし、この日ばかりはホーバスやゲインズから、「それは、今はどうでもいいことだ」「気にするな」と励ましの声をかけられた。


