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「正直、強すぎる」青学大にどうやって勝った? この12年間で2校だけ“箱根駅伝で青学を破った”東海大の軌跡「倒すぞと言ってはいても…」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/21 11:02
箱根駅伝4連覇中だった絶対王者・青学大にいかにして勝ったのか? 2019年の東海大の軌跡を当時のメンバーたちに聞いた
「箱根優勝」を目標に掲げる
全日本で5区2位を記録した湊谷は、チームのムードがさらに変わったのを実感した。
「出雲に勝って、ムードが本当に変わりました。全日本でも、出雲で勝てたんだから俺たちだったらできるでしょう、みたいな空気が流れていました。(青学大と)優勝争いができていたので、確かに力がついたなと思いましたし、これで同期の三上(嵩斗)、湯澤(舜)とともに、箱根の優勝を目指して思い切り戦おうという覚悟ができました」
第94回箱根駅伝に向けて、チームは「優勝」を目標に掲げた。「青学大を食ってやろう」という声も黄金世代から上がっていた。
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だが、迎えた本番は、思うようなレース展開にはならなかった。
「打倒、青学」を目標にしていたが、青学大と競るシーンは一度もなかった。総合3位を狙える位置にはいたものの、10区で逆転され、結局5位に終わった。
正直、青学大は強すぎる
8区を2位で走った黄金世代の館澤亨次は、青学大との力の差を感じていた。
「この時は、『俺ら、優勝できるぞ』、『青学を倒すぞ』と言ってはいても、本当にそう思って走っていた人は少なかったと思います。青学を倒したい気持ちは強かったと思いますし、1年目箱根で10位、2年目は5位と順調に順位を上げていて、選手層も厚くなってきたけど、優勝まではまだまだ力が足りなかった。
優勝をイメージして走り切れていなかったですし、青学大と自分たちの戦力を比較して、勝てるかっていうと、正直、青学大は強すぎると思っていました」
この時の青学大の主力は、駅伝男の田村和希、下田裕太ら4年生。彼らを、小野田勇次、森田歩希、林奎介、梶谷瑠哉ら3年生と鈴木塁人、竹石尚人ら2年生が支えるチームだった。
出雲、全日本は優勝を逃したが、箱根は逃さない。青学大は、今に通じる“箱根での強さ”を発揮して箱根4連覇を達成した。
だが、東海大にも次第に力強い流れが生まれてきていた——。
〈全4回の1回目/つづきを読む〉

