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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
長谷川穂積は中谷潤人の“苦戦”をどう見たのか?「2、3試合ぶんの価値あった」“階級の壁”に独自見解「中谷も鍛えているが…井上尚弥は太ももが違った」
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph byNaoki Fukuda
posted2026/01/07 11:45
スーパーバンタム級初戦で判定勝利を収めた中谷潤人。セバスチャン・エルナンデスのタフさと前進力に苦しめられた
かつて井上のスパーリングパートナーを務めた経験もあるエルナンデスは後半がめっぽう強いボクサーとして知られている。長谷川さんが続けた。
「たとえば中谷選手が西田凌佑選手(25年6月)やアンヘル・アコスタ選手(21年9月)とやったときに打ち合いましたけど、あれは自分から望んで打ち合いにいっていた。今回は打ち合わざるを得なくて、仕方なく打ち合った。そしてそのまま打開策が見つけられず、12ラウンドまでいってしまった印象です」
長谷川穂積が語る「階級の壁」の正体とは?
近年のパフォーマンスが圧倒的だったことも、この日の中谷の印象を一層悪くしたのだろう。その要因は「階級の壁」にあるのだろうか。長谷川さんは「1試合で判断するのは難しい」と前置きした上で、フィジカルの大切さと経験値を課題に挙げた。
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「階級を上げて何が一番変わるかといえば相手の体の強さです。パンチ力は階級を上げて多少強くなっても耐えられる。でもくっついたときの体の強さが全然違う。減量前の体重が違うからです。ナチュラルでスーパーバンタムの選手は下手すれば減量前に70キロ近くある選手もいる。もとからスーパーバンタムの選手と、下から上げてきた選手ではそこが違います」
相手の体の強さに対抗するためには何より下半身の強さが必要になるという。
「階級を上げて何を一番最初に鍛えなくちゃいけないかといえば足腰なんです。私はそう思ってます。上半身じゃない。まずは足腰を鍛えて、スーパーバンタム級でも押し負けない下半身を作る。足を鍛えることでもう少し踏み込めるし、強いパンチも打てる。中谷選手はもちろん鍛えているでしょうけど、私は井上選手がスーパーバンタム級に上げたときのことを思い出したんです。すごい太ももになりました。そこが階級を上げて一番変わった。バンタム級のとき、あんな太ももはしてなかったですから」

