〈セ独走の阪神が日本シリーズで玉砕〉両リーグを知る頭脳派コーチが語るセパ格差、投高打低…現場のリアル「打ち勝つ、ではなく打てば勝つ時代」 

――野球界にはそれぞれの時代の傾向のようなものがありますが、この「投高打低」もそのひとつ？

仁志コーチ　そうですね。確かに、セパ関係なくピッチャー全体のレベルが上がっている。ボールの飛ぶ、飛ばないという問題もおそらくあるとは思いますが、基本的にバッターは受け身ですからピッチャーのレベルアップに追いついていくには、時間差があるとは思います。

――打者としては難しい時代ですね。

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仁志コーチ　球速が上がるだけでなく、球種も多彩になっている。それに対応していくとなると、ただ豪快に振り回しているだけでは打てません。賢く打席をこなせないとバッターは成績が残せない。だんだん日本人の「大砲」タイプの選手も少なくなってきている理由もそこにあって、飛ばすということに関して今はバッターが厳しい時代なのかなと思っています。

「打ち勝つ」ではなく「打てば勝つ」

――どういうバッター像が求められるのでしょう？

仁志コーチ　やはりいつの時代も打率が高い、出塁率が高いという選手でしょう。最近は色々な数字、指標があって野球好きな方はよく見ていると思いますけど、結局は単純にその二つがいいバッターには敵わない。そこに長打力が加わればさらに重宝されますよね。

――プロ野球としては近年きちんと「点が取れる」チームがペナントを制している印象があります。

仁志コーチ　今の時代はどのピッチャーも抑えるので、“打ったら勝てる”という側面がある。打たれたら打ち返すとか、乱打戦を制するという意味の「打ち勝つ」とは違いますよ。点を取られないので「打てば勝つ」「点を取れば勝つ」。それが傾向というか、そこで差がついていくのかなと思います。

――安定した投手力を誇る西武も近年は苦戦が続いています。野手チーフコーチとして来シーズン以降、攻撃面で勝機があるとすれば？

仁志コーチ　まずはいわゆるレギュラーと言われる選手がもう少し出てこなければいけないですね。西川愛也、（タイラー・）ネビンがいて、若手選手も出てき始めている。チャンスはたくさんあるのでそれを奪い合って、勝ち残った選手が出てくれば十分優勝は狙えると思っています。　〈前編も公開中です〉

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