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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
全国高校駅伝「エース区間トップ3」“全員が早大進学”の衝撃…「令和の三羽烏として切磋琢磨したい」黄金ルーキーの視線は箱根駅伝の先に?
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和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/12/24 17:03
都大路の1区トップ3に入った福島・学法石川の増子陽太、西脇工・新妻遼己、鳥取城北・本田桜二郎はいずれも早大に進学
新妻は来季からのチームメイトにライバル心を燃やしている。そして、志も高い。
「世代でナンバーワンになるということと、シニアで世界大会を目指し、しっかり負けない走りをしていきたいと思います」
新妻は本田と共に2026年1月に開催される世界クロスカントリー選手権のU 20日本代表に選出されており、年明けに早速世界に挑む。
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「寮生活は初めてなので、ちょっと不安もありますが、雰囲気はすごく良いと聞いています」
増子はちょっぴり不安も吐露しつつも、新たな環境での自身の成長を確信している。
「今日のレースを見ても、レベルの高い3人ですし、ここからまた切磋琢磨していければ、もっとすごい記録が生まれるんじゃないかなと思っています」
そんな近未来を思い描いている。
増子は11月の日体大競技会の後にこんなことも話していた。
「大学生になったら、本格的に世界との勝負になってくると思う。留学生の選手と戦う機会もすごく増えると思うので、そういう経験を自分の走りに昇華したい。自分は割と外国人の選手と息が合う走りができると思うので、天候やコンディションをしっかり見極めながら、世界の舞台で走れるようにしたい。大学の先輩、強い仲間もいると思うので、そういう選手たちと切磋琢磨しながら頑張っていきたいなと思います」
奇しくも3人ともに“世界”という言葉を口にしている。花田監督も、彼らの期待に応え、個の育成にしっかり力を注いでいくつもりだ。
「チームもありますけど、まずは“圧倒的な個”を掲げて、選手たちの個性をしっかり伸ばしたい。個もチームも、しっかり結果を残せるような指導ができればと思っています」
花田監督はそんな育成プランを思い描いている。
3人の視線は…「箱根の先」に?
来季の早稲田は“山の名探偵”こと工藤慎作が最終学年を迎え、1年目から活躍を見せている鈴木琉胤、佐々木哲が学年を重ね、さらに強力なルーキーも加わる。となると、箱根駅伝が楽しみにもなる。だが、高校生の彼らが視線を向けていたのは、さらにその先、壮大な未来だった。
ついつい「近い将来、早稲田が黄金期を迎えるかもしれない」などと結んでしまいそうになったが、それは箱根駅伝を基準に考えてのこと。彼らについて語る時、我々もまたスケールを見直さなければならない。

